セブ島のお宅を拝見しました
セブ島南部、青い澄んだ海が眼前に迫る海岸沿いに、この竹を編んでつくった家はあります。この家に12人で暮らしているそうです。ちょうど家の方が外にいたので、頼んで中を拝見させていただきました。
ー12人!?
「床に寝るとかね(笑)」
ーところで、今日は仕事お休みですか?
「仕事なんてないよ。おやじがトライシクル(オート三輪車)で働いてるから、米を持ってくるのを待ってるんだ。お客がつけば食べるものを買ってくる。そうじゃなきゃ、食べるものがないから、あそこに生えているバナナを食べるんだ。タダだからね」
このお兄さんは35歳。結婚しているそうですが、奥さんとは別居。彼女は実家で子供と暮らしているそうです。
「仕事はないけど、あ、これがある」。
家の中につるしてあったバッグから、バリカンを取り出しました。
「これ持って、いろいろな村に出張に行くんだ。あっちの山の方の村が多いね。あそこには床屋がないから。一回散髪して25ペソ(約60円)もらうよ。」
「よくて一日1人だね。追い払われることもあるよ」
「大きな声で言えないけどさ(と、お兄さんは急に声をひそめて)、山の人たちはすごく貧しい。女性はパンティを買えない人もいるんだ」。
今はバイクのガソリンがなくなってしまって、その仕事にも行けないそうです。
フィリピンの現実を伝えてくれ
「あなたみたいな暮らししてる人、このへんにたくさんいるんですか?」
「そうだね。でもバナナがあるから、なんとか生きてるよ」と、まだ青いバナナを指しながら笑うお兄さん。
(私)「写真撮っていいですか?」
「いいよ。これがフィリピンの現実だ。ぜひ写真撮って伝えてくれ!」
兄さん宅のすぐ横のリゾートホテルで売られているビールは60ペソ。お兄さんのバリカン代の2回分です。
こんど行ったら、お兄さんに山の上の村へつれてってもらおうかな。
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