『世界のくらし インドネシア』
【出版社】ポプラ社
【定価】 本体2090円+税
【初版年月】 2020年4月3日
【ISBN】 4591165272
内容
小学校高学年向けにインドネシアという国を紹介する写真絵本です。取材・執筆・編集を担当しました。
国の概要を紹介するページです。インドネシアの国民の90パーセント近くがイスラム教徒。世界で最もイスラム教徒が多い国です。ほかに国が認めている宗教には、キリスト教のカトリックとプロテスタント、ヒンズー教、仏教、儒教があり、国民はいずれかの宗教を信じなければならないるとされています。
インドネシアの小学校は午前中に終わるため、子供たちは家で昼ごはんを食べます。主食はお米です。おかずは野菜のスープや炒め物、鶏肉を焼いたものなどが主です。テンペやタフ(豆腐)などの大豆食品もよく食べます。タフは豆乳に凝固剤を加え、圧力をかけて固めたものです。日本の豆腐よりもかたくて黄色く、日持ちがします。これを煮たり炒めたりして食べます。
インドネシアでは外食やテイクアウトがさかんな国です。自分で作るよりも手軽で、値段も安いからです。
ジャワ島中部に住む小学生のくらしを紹介しています。
結婚式。インドネシアの村の結婚式は、村全体のイベントです。式場づくりには、村民が総出で手伝います。式当日の食事は新郎新婦の家族や親戚が共同でつくります。ゲストは好きな時に来て新郎新婦とあいさつを交わし、食事をすませたら好きな時に帰ります。とてもラフな感じでした。なおイスラム教ではお酒が禁止されているため、食事にはお酒が出ません。
あとがき
「こちらの人は死際に生きることに執着しない」と、インドネシア人男性と結婚して旅行会社を営む中辻朝さんからお聞きしました。ある程度の年齢まで楽しく生きられたら、それでいい。高い医療費を払って延命治療しながら少しでも長生きするより、家で家族に囲まれながら楽しく人生を終えたいと思っているそうです。
インドネシアでは医療保険制度が日本ほど整っていないため、庶民は気軽に医療にかかれません。一方で大家族制が生きているため、結婚後は長男も次男も両親と同居するのが普通です。年老いた両親は、家族が死ぬまで面倒をみるのです。
日本には優れた医療保険制度があり、ほとんどの人が必要な医療が受けられます。それはとても喜ばしいことである反面、人生の最期を病院で迎える人も少なくありません。
*
私のはじめての海外一人旅はインドネシアでした。バスで隣り合った人に話しかけれて、片言のインドネシア語で返すと、「家に来なさい」と言われることがたびたびあり、何軒もの家々を泊まり歩きました。
あれから20年以上たち、この国はどう変わったのかに興味がありました。誰もがスマホを持つようになり、アプリを起動してさっとタクシーを呼び出すのには驚きました。しかし人の温かさはあいかわらずで、私がホテルへの行き方がわからなくて困っていると、自分の予定を変更してホテルまで付いてきてくれる人もいました。
他人への思いやり、人と人とのつながりという人間の最も尊いものにふれることができるのが、インドネシア滞在の楽しみです。もしみなさんがインドネシアに行く機会があれば、そういうこともぜひ感じ取っていただけたらいいなと願っています。
『世界のくらし インドネシア』
【出版社】ポプラ社
【定価】 本体2090円+税
【初版年月】 2020年4月3日
【ISBN】 4591165272
■お問い合わせ*Contact→連絡先 e-mail