サウジアラビア女性の日常＊家の中でもアバヤ姿？

サウジアラビアの女性は車の運転ができない？女性は家の中でも黒づくめの服装をしている？女性の楽しみとは？‥現地の家庭にホームステイしてかいま見た、サウジ女性のリアルな日常をご紹介します。

サウジアラビア女性の服装は？

アバヤとニカブが一般的です。（アバヤとは黒いコート、ニカブは目だけ出す布のこと。）

以前からアバヤとヒジャブ（スカーフ）は法律上の義務でしたが、2019年から義務ではなくなりました。義務ではないものの、ニカブを着けている人がほとんどです。

とりわけ田舎の方でこの傾向が強く、ニカブを着けていないと家族（特に男性）が近所の人に何か言われることもあるそうです。「〇〇家の娘（奥さん）がニカブ付けないで歩いていた」。

外国人女性旅行者が地方の田舎に行くような時は、アバヤと（最低限）ヒジャブ着用がおすすめです。

家の中でもアバヤとニカブ？

家の中では半袖など普通の服装で、髪も隠していません。女性が隠さなければならないのは、「自分の夫や親」以外の男性の前だけです。

他のアラブの国では、家の中でも男性の来客がある時は、女性は急いでヒジャブやチャドルをかぶったりします。

この点、サウジはわずらわしさがありません。家の中が完全に男女別になっているからです。１つの家に男性用と女性用の２つの玄関があり、それが男女別の応接間に通じています。家に入ってから出るまで、いっさい異性と顔を合わせないようになっています。

夫婦で友人宅を訪ねると、夫は男性用の応接間で主人とくつろぎ、女性は女性用の応接間で奥さんとおしゃべりします。

ここまで男女を分けるのはどうかな？と日本人的には思いますが、よその男性がくると、どうしても奥さんは気を使います。その点サウジの女性はのびのび暮らしていると思います。

＊サウジアラビアの女の子の日常

外国人女性もアバヤを着た方がいい？

アバヤは義務ではありませんが、着ていた方が好印象を持たれるとは思います。「自分たちの文化を尊重してくれているね」と。アバヤは1着あると便利です。ホテルの部屋で下着姿でいて、ちょっと飲み物を買いたい‥という場合、上からアバヤをさっと羽織るだけでいいので。男性のぶしつけな視線を避ける事もできますし、気になる体型や年齢まで隠してくれます。

スポーツするには不便ですが。買い物に行ったり町を歩いたりするくらいなら、全く問題ありません。少々暑いなあと感じることもありますが、サウジの特に夏場の直射日光は強烈ですから、素肌を晒していたらもっと暑いでしょう。

アバヤ以外であれば、ゆったりしたシャツとくるぶし丈のロングスカートがおすすめです。

女性は一人歩きできない？

女性も普通に町中を歩いています。１人歩きは日本より少ないかもしれませんが、禁止されているわけではありません。

買い物やレジャーは家族一緒。これは習慣であり、一人より家族との方が楽しいからです。

車の運転をしない女性が多いので、少し離れたモールに行く時などは息子さんなどが運転します。それと男性は荷物持ちです。

車の運転は？

かつてサウジアラビアでは女性の車の運転が禁止されていました。法律で禁止されていたのではなく、国が女性に免許を発行しなかったそうです。

車を運転したい女性に不便だったと思いますが、一方で運転できなくても困らない女性もたくさんいます。
家族の男性が運転してくれたり、おかかえ運転手がいたりして。

「自分で運転するよりドライバーが運転してくれるほうが楽じゃない」
「私は助手席に座って携帯電話でおしゃべりしているばいいし、駐車場だって探さなくていいし」
などの意見もあります。

サウジ人の中には相当マナーが悪いドライバーもいます。渋滞もあります。そんな中でストレス感じつつ運転するより、男に任せて助手席に座っていた方がいいという人もいるでしょう。

加えて「男性がやってあげる」規範が強い社会です。
サウジアラビア人と結婚している私の友人が、自分で運転して出かけようとしたところ、ご主人にとめられました。

奥さんが運転しているのを見て、夫に「なんで連れて行ってあげないんだ？」と非難の目で見ることがあるからです。良い意味でも悪い意味でも、女性が過保護にされているのです。

娯楽は？

基本は家の中でおしゃべりです。あとはモールで買い物したり。休日には家族で動物園や公園に行ったりします。

親戚のつながりが強くて毎日誰か親戚が訪ねてくるので、一緒にコーヒーを飲んだりお菓子を食べたりしているうちに、あっという間に時間が過ぎます。

メイドさんも安く雇えますから、中流家庭でもメイドさんがいるのが普通。家庭の主婦も比較的優雅に暮らしています。

メイドさんはいても料理は自分で作るという主婦も多いですし、テレビ見て、料理して、礼拝して、家族や親戚とおしゃべりして‥という和やかな暮らしを営んでいらっしゃいます。

＊サウジアラビアの家は奥様好みのインテリア