『老いてしあわせ』②*不幸が幸せに変わる、たったひとつの方法
不幸が幸せに変わる、たったひとつの方法があるとしたら、それは物事を別の角度から見てみることです。「老いてしあわせ」を読み、そう思いました。
たとえば、こんなふうに、です。
子どもがいないからこその幸せも
子どもが欲しくてもできない、そんな夫婦もいます。たしかに子どもがいれば楽しい。子どもがもてないことイコール不幸、そう思いがちです。
ある日吉沢さんがレストランに入ったときの話。近くのテーブルの女性客3人が、おしゃべりをしてました。内容はヨメ(自分の息子の妻)の悪口。
実家には良く行くのに私のところには来ない、とか、頂き物が余ったから取りに来ないか?という時だけ、いそいそとやって来るとか・・・。
そんな話を聞きながら、吉沢さんは思います。
「私は子どもがいないから、こういう人間関係は一生なしで過ごせるが、それは私にとっては幸せだ。年齢とともに面倒な人間関係は避けたくなってくるものだから」
家族の死から立ち直るには
吉沢さんのご主人がなくなって10日ほどたった日のこと。どうしても外せない仕事のために関西へ行き、その日思わぬ大雪で帰れなくなってしまったそうです。
こういうとき、以前なら「早く帰って食事の支度をしなければ」と思うところ。が、一人になった彼女は「そうだ、今日のうちに家に帰らなくてもいいのだ」と、思った。
そのとたん、体中の緊張がほぐれたように楽になり、「私にも、こんな自由があったのだ」と開放感が体中を自由にしてくれたといいます。
「そう、私には働ける健康なからだと仕事がある。これからは、じぶんだけのために、自由に時間が使える。この先、どれだけあるかわからないが、自分の持ち時間をせいぜいよく働き、よく遊び、たのしくすごそう。夫はそれを望んでくれているに違いない。だから、こんな開放感をくれたのだ」
私はそんなふうな思いを持ち、もう、振り向かず、前だけを見て生きることにしようと心に決めた。
今の自分の状況を肯定的に見る
考えてみれば、こういった思考の切り替えというのは、日常生活すべてに応用できるのです。
・結婚したくてもできない → 一人だから、休日はすべて自分の時間
・給料が少ない → 少ないお金の中で、どうやって生活していくか節約術の訓練になる
砂漠を自由に移動しながら暮らす遊牧民サイーダの暮らしもそうです。
いつも移動しているから、持てる鍋は一つだけ →洗う手間が省ける
自動車はお金がかかるから持てない→ラクダでゆっくり移動するから、飛んでいる鳥を眺めることができる
幸か不幸か、を決めるのはあくまで自分の心なのです。
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