2018-08-11

アズムール＊モロッコの小さな港町

大西洋岸の町アズムール（Azemmour）。場所はエルジャジーダ近郊、カサブランカから海沿いを南西に８０kmほど行った場所にあります。１６世紀ポルトガルがモロッコの大西洋岸を支配していた頃、ウムエルルビア川（Oum Er-Rbia River）沿いに町をつくって暮らしていました。これが上の写真のメディナです。

メディナはポルトガルの田舎町

アズムールのメディナ（旧市街）はひっそりと静かで、ひなびた田舎町といった感じです。雑貨屋のとなりにさりげなく画廊が。

井戸端会議に花を咲かせる女性たちと、買い物に出かけるであろう家族連れ。観光客の姿はほとんど見かけません。完全に地元の人の生活の場所。しつこい客引きなどはもちろん皆無です。

糸をつむぐ母娘。メディナの中では子どもたちが遊んでいる姿がよく見られます。

所々にキオスクがあります。

魚売りの屋台はいつも野良猫たちに囲まれています。魚売りは２人ペアになっていて、１人が魚を売り、、もう１人は集まってきた猫たちに魚をあげる係です。いかにもモロッコらしい。

（訪れたことはありませんが）ポルトガルの港町もこんな感じなのでしょうか。

メディナの中に家を買って住んでいるヨーロッパ人が多くいるそうです。ただ滞在するのは１週間ほどの休暇の間だけだそう。なんだかもったいないですね。シナゴーグ（ユダヤ教会）もあり、時々ユダヤ人の団体が巡礼に来るそうです。

町全体がアート

アズムールは、アートの町としても知られていて、町のいたるところに絵が描かれています。買い物帰りの２人の女性。左の女性はフランスパンをもっています。

活気あるスーク

大通りを挟んでメディナの反対側はスーク（市場）になっていて、とても活気があります。夜遅くまで人通りが絶えません。メディナのひっそり感に慣れていただけに、「こんなにたくさんの人がどこにいたの！？」と驚くばかり。

ホテル：Loum Errebia

ここで泊まったのは、メディナの奥にひっそりと建つLoum Errebiaというホテル。実はこのホテルに泊まりたくて、アズムールにやってきたようなものなのです。

客室。リバービューの部屋とパティオに面した部屋があります。こちらはリバービューの部屋です。朝起きたら、ベッドの上から朝もやに包まれた川辺を眺める。なんとも優雅です。

階段の踊り場。ここも写真心をくすぐられる佇まい。

ホテルにサウジアラビア人（奥さんがモロッコ人）が泊まっていました。彼は毎年モロッコに来て、その時はこの宿に泊まるそうです。今回は１０日間くらい滞在し、ここを拠点にカサブランカに買い物に行ったりのんびり過ごしています。「ここはまるで自分の家みたいにくつろげる場所なんだ」と彼。「モロッコのVIPもここにお忍びで宿泊するんだよ」

その真偽はともかく、部屋から川を眺めているだけで癒されます。