イランの外食と人気スイーツ*シュークリームがおすすめ!
イランで美味しいものに出会いたければ、庶民的なお店に行くことをおすすめします。「安い店ほどおいしい」がイランにおける外食の原則です。
雰囲気の良い高級レストランに入って味がいまひとつでも、イラン人は文句を言いません。レストランは雰囲気を楽しむ場所だからです。味には期待していないのです。美味しいものを食べたければ、庶民的な安食堂へ行きます。
そこで外国人旅行者もイラン人に見習って、美味しいものに出会うために安食堂(かつ地元の人で混んでいる店)に行くべき。イランの外食は「ケバブ」ばかりでありません。イランの外食ではどんな料理があるでしょうか?
アーブグーシュトābgūsht آبگوشت
イランで一番人気の庶民料理といえば「アーブグーシュト」です。肉やじゃがいも、ひよこ豆などを煮込んだシチューで、家庭でもよく食べられています。
「ディーズイー(土鍋)」とも呼ばれます。ディーズィーはその素焼きの壺のこと。1人前ごとに小さな壺に入れて料理されるので、この名がついています。この方法で煮込んだアーブグーシュトは本当に美味しいのですが、現在あまり見かけなくなりました。
観光地でたまに壺に入れたものが出されますが、たいてい大鍋で料理したものを壺に移し替えたものです。そうでないものもあり、それに出会えれば忘れられない味となるでしょう。
アーブグーシュトの正しい食べ方
イラン人の食べ方は、壺の中身を別の容器に移し替え、つぶして混ぜて食べます。
「つぶさないで、そのまま食べた方がおいしいのでは?」と思っていたのですが、どうしてどうして。
中味を潰して混ぜると、肉と豆とイモの味が融け合い、えも言われぬ美味しさ。イラン人がこの食べ方に固執する理由がわかります。
スィーラービー sirabi سربی
羊の胃袋を煮たスープです。テーブルの上にある調味料で好みの味に整えて食べます。これにレモンをかければ最高の味です!テヘランのような都会でも、南部の下町にいけば食べさせる店があるようです。
アーシュ・レシュテ Ash reshteh آش رشته
「アーシュ」とはスープのこと。アーシュ・レシュテは、ソバのような麺を小さくして入れ、豆と野菜で煮込むスープです。たくさんの種類のハーブが煮込まれているため、かなり栄養があります。(モロッコの「ハリラ」(豆や野菜を煮込んだスープ)に似ています。)これぞまさしく庶民の味。
写真はテヘランの中心部にあるタジュリーシュ広場の店。おわんにアーシュを入れてくれて、一杯100円ほど。お店は地元の方達ですごく混んでいました。
イランの人気スイーツ
中東の人たちは甘い物好き。イラン人も例外ではありません。イラン人に人気のあるお菓子&イランに行ったらぜひ試してみたいスイーツ&甘いものを紹介します。
スーハン
テヘランから南に100キロほどのところにあるイスラム教シーア派の聖地コムの銘菓です。
材料は、小麦粉・麦芽・サフラン・砂糖・ピスタチオ・バター・アーモンド・カルダモン・卵黄など。パリッとしているけど、しっとりもしてる、何とも表現しずらい、でもクセになる味です。
キャズ
固めのマシュマロとうかヌガーのような生地の中に、ピスタチオとローズウォーターが練りこまれています。食べると口の中にローズの香りがふわっと広がります。マーケットにも売られています。
シュークリーム
イランのシュークリームは、日本のより甘さひかえめです。外側のシューはやや固く、クッキーみたい。私はイランの方が好きです。イランではお菓子も野菜も果物もキロ単位で購入するのが普通。でもまさか、シュークリーム1キロ買うわけにはいきません。でも、たのめば1~2個でもちゃんと売ってくれますよ。
アイスクリーム
ヤズドのお店で。普通に美味しいです。それほど甘過ぎず、上品な味ですよ。
ゼリー
色はかなりビビッドですが、甘さ控えめ。いくらでも食べられそうです。
ニンジンジュース
イランではオレンジなど各種の果物ジュースがあります。特にイラン人に人気のあるのがニンジンジュース。アイスクリームが入っています。
果物
イランのフルーツはかなり味が濃いです。それはまさに「スイーツ」。イランの家庭では、お客様へのおもてなしや食後のデザートはフルーツです。
手前の柿に注目。柿はイランではとろーりと熟したものをスプーンですくって食べます。最初は「え!」と思いましたが、これは慣れるとかなり美味しいです。イランに旅行に行ったら、太るのを覚悟しましょう!
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