『人は死ぬ時何を後悔するのか』*ホスピスで2500人のガン死を見届けて
「こういう病気で早く死ぬとは思っていなかった」。ホスピスの患者のほとんどが、こう言って嘆くそうです。
「人は死ぬ時何を後悔するのか」。著者はホスピスで、ガンで死を迎える2500人ほどに接し、死の間際に後悔する人を多く見て来ました。
どんな後悔が多いのか?そして、より良く生きるために、私たちはどう生きるべきなのでしょうか?
人生のご褒美は定年より前に
卵巣ガンの50代女性は、「夫の定年後は夫婦で国内外の旅行をする」などの第2の人生計画を立てていました。発病した時、それはすぐ目の前でした。「どうしても、あと3年生かしてほしい」と懇願しましたが、願いはかなえられませんでした。
「ホスピスでは末期ガンの人が、定年後に予定していた田舎暮らし、外国旅行などの夢を果たせず、残念な思いで死ぬ人が意外に多いのです。第2の人生や楽しみを退職後だけに託しているのは「冒険」だと思います。退職後も元気でいたらという前提で計画をするべきです。すべて定年後ではなく、定年前のなるべく早い時期から始めるのが無難だと思えてなりません。
「定年後から再スタートしよう」と若い内から夢を抱いている人がまだまだ多いものです。「目の前のニンジン」ではありませんが、「人生の少し先にご褒美を設定して、それに向けて頑張る」ことは、それなりの意義があるでしょう。しかし、多くの患者さんを見て来た立場から言うと、その目標設定が良いのは若い頃に限られる様な気がします。特に50歳になったら真逆の発想で「明日はないかもしれない」という認識を心の片隅にとめておくのがよいと思えてなりません」。
死は生のすぐ隣に
特に若い頃は、人間はいつかは死ぬ存在だけれど、死はずっと後に来るものと思いがちです。
でも、そうではありません。
ある日、元気だった人が、突然心臓発作で亡くなることもあれば、通勤途中で交通事故に巻き込まれることもある。
明日、明後日、この5分後にも生きているからわからないのです。
「大勢の人の死に方や生き方に接していると、死ぬということは、「つかの間の生をうけたものが、自然の仕組みの世代交代でこの世を去る」という現象に他ならないと思うのです。「若い人ほど、死は生の延長線上の遠くにあると考えているのですが、実際には人は常に死にまとわりつかれて生きているのです」
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