ポンソン島*西洋人がリタイアしたら住みたい楽園
カモテス諸島の最東にある「ポンソン島」。秘境と言われるカモテスの中の、さらに秘境です。
ポンソン島の場所と行き方
ポロ島のプエルトベロ(Puerto Bello) からポンソン島カーウィット(Kawit)まで船をチャーターして、300ペソ。約10分。あっけなく着いてしまいます。公共の船はありません。ダナオからの船もあります。カモテスの他の島を経由し、夕方ポンソン島に到着。一晩停泊し、翌朝5時にダナオに向けて出港します。350ペソだそうです。
バイクで島を一周
島を効率よく回るにはバイクをチャーターするのが最良です。公共のバスやジープニーはありません。私は売店で知り合った神父さんに島を案内してもらいました。
島を一周案内してもらって相場は100~150ペソだそうですが、「君の好きな値段でいいよ」と言われ、お言葉に甘えて100ペソにしていただきました。
彼はミンダナオ島出身。教会から派遣されてきたそうです。「この島は平和でいいね。ミンダナオは誘拐事件などたくさんあるし。でもここの人はみんな良い人だし、暮らしもシンプルで、良い島だよ」。島の女性と結婚。女の子が2人いるそうです。
島の人口は1万人ほどで、ほとんどの人は漁業・農業で生計を立てています。他にこれといった仕事がないので、多くの人はレイテ島のオムロックやセブ、マニラなどへ出稼ぎに行きます。バイクで走っていても、対向車はほとんどありません。それは良いのですが、島は自然が豊かなため、小さな虫が何度も目の中に飛び込んできます。一度は激痛が走りました。バイクに乗るときはサングラス必須です。
島には13の集落があり、中心は「ピラーPilar」という町です。フィリピンの他の島と同様、竹を編んで造った家が多いものの、かなり大きく豪華な家も建っている。それらはアメリカ人の年金受給者だそうです。ネットで若いフィリピン人女性と知り合い、結婚して島に移住。そんな人が20人ほどいるそうです。
島ではこれといってやることがないから退屈なのではないか?と思いますが、そういうのはまだ定年に間がある私のような者が思うことかもしれません。定年を過ぎた方には、日々青い海を眺め、美しく若いフィリピーナと暮らしているだけで、じゅうぶん幸せで満足なのでしょう。
海沿いに、日本人が以前建てたという家もありました。現地女性と結婚したが、家を建てている途中で離婚。そのまま放置してしまったようです。他に大きな家の持ち主といえば、医者とか看護婦、先生などだそう。島には医者が1人いて、その人の手に負えない場合は、オムロックの病院へ行くのだそう。
島のために水には苦労しているそうです。島の自治体が山水を洗浄し、飲料水として利用。ただ山の上から水を引ける村もありますが、そうでない村の人は、洗濯するために隣の村まで行くことも。
(船が到着するカーウィットの集落近くのリゾートには、人魚姫のオブジェが。でも誰もいない)
島でボランティアして暮らしているヨーロッパ人男性と知り合いました。彼も年金受給者。彼がお金を出して食材を買い、島の女性が料理。それを貧しい子供たちに配るそう。「この島の人は、一つのファミリーみたいなもの。だから私が何かやると、すぐに島全体に広がるんだ」と楽しそうに話していました。
ポンソン島のホテル
島の女性と結婚した外国人が建てたホテルです。夫婦は離婚して、今は奥さんの妹さんが管理。そのため色々な面で手入れが行き届いていません。天井の塗料がバリバリにはげていて、廃墟のようでした。最初一泊800ペソと言われ、私が泊まるのを迷っていると、「600でいいわ」と。それでも高いかも?
最初に通されたファン付きの部屋は電気がつかず、隣のエアコンの部屋に変えてもらいました。「値段はいっしょでいいわ」と。一瞬「ラッキー」と思ったのも、つかの間。クーラーが壊れていた! 幸いベッドの寝心地は悪くなかったのと、疲れていたこともあり、ぐっすり眠れました。
島の電気事情
島に電気が供給されるのは朝9時から翌朝5時までです。朝6時から9時の間はありません。私はオムロック行の朝6時半発の船に乗るため、朝4時半に起きました。5時になったら、ぱたっと電気が消えて、それまでガラガラ音を立てて回っていた扇風機もピタッと泊まり、その後は波の音だけが響きわたる・・・・。
幸い窓から月明りが入ってきたために、電気がなくても何とかなりました。ザーザーという波の音と月明り。なかなか幻想的な雰囲気でした。他では味わえない体験ができるという意味で、ポンソン島、訪れてみる価値があるかもしれません。
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