『英国一家、ますます日本を食べる』*親子のコミュニケーションが微笑ましすぎる!
海外に行っては現地の家庭料理を食べたり勝手に写真を撮ったりしているくせに、いざ向こうの人に「日本でどんなモノ食べてるの?」と聞かれると、満足に答えられない私。
「野菜ゆでたり、肉を焼いたり」なんていう答えでお茶をにごしてしまう。
日本には魚を干してダシにするとか、豆をすりつぶして白いキューブみたいなものを作るとか、海藻をかわかして黒いシートを作るとか言ったら、きっとびっくりして喜ぶのでは?
・・・と、「英国一家ますます日本を食べる」を読んで思いました
「英国一家日本を食べる」の続編。
イギリスの食ジャーナリスト・マイケルさんが、奥さんのリスン、2人の息子アスガー、エミルひきつれ、日本の食を求めて全国を旅する。
あいかわらず楽しませてもらいました。
貝柱を口にして
ともかく、子どもの反応が無邪気でかわいい。これが、この本の一番のポイント。
アスガーが市場に売られている貝柱をお菓子とかんちがいして「食べたい」とダダをこね、いざ食べたら即座に吹き出してしまう。
そこでマイケルさん、(店の人に悪いと思って)あわてて自分で貝柱を口に入れ、おいしそうな顔をしてみせる。
このシーンには、思わずニヤニヤ。
家族と旅すると、広がりと奥行きを持たせてくれますね。
牛のマッサージ
マイケルさんは、日本の牛肉に並々ならぬ関心を持っていた。
「どうやったら、牛に心臓発作を起こさせずに、こんなに濃厚で脂肪の多い肉をつけられるのか? 音楽を聴かせるとか、酒をすりこむとかって噂は本当なのか?」
そして「牛のマッサージをしたい!」という野望をいだく。
念願かない、マッサージするべく焼酎を口に含み、和牛の横腹めがけて思い切り吹きかける!
が、練習不足で焼酎はほとんどシャツの胸元にひっかかってしまう。マイケルさんも、お子さんたちに負けず劣らずパフォーマーなんです。
こうして私たちは、まだ見ぬ食の旅に出かける。高野山の宿坊で修行中のスイス人の僧侶とワイン(!)を飲んだり、鰹節に使うカツオの解体作業を見たり、日本のワサビの60%以上が生産される伊豆・天城山の山奥のワサビ田を見たり・・・ああいいなああ、自分もいつか行ってみたい!
食を知って国を知る
日本の食を知ると日本人の生き方がわかってくると、マイケルさんは、あとがきで書いています。
「ひとつだけ確かだと思えるのは、食べ物はその国の文化や生活に直結しているということだーそれは世界のどの国にも当てはまる。
(略)日本人が何をどう食べているかを調査していると、日本の歴史や文化、日本人の生き方、希望、大志などがよくわかってきて、日本人が近い存在になってくる。」
(良いこと言うなあ)
食を知るとは、その国を知ること。確かにそのとおり。
私は海外に行って醤油がほしいとか梅干しが食べたいとか思わないけれど、中にはそうでない人もいる。
あるイラン人は「インドに行ったけど、食事がまずくて困った」と言っていたけれど(そうかなあ、私はインド料理最高だと思うけど)、かようにイラン人は概して食にガンコ。
ともいえるし、自分たちの食をこよなく愛しているとも言える。
私ももっと日本食を知って愛さなければ!
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