2024-09-25

ちいさな本屋と湯治宿*<岩手県>大沢温泉&山猫堂

岩手県・大沢温泉湯治屋

岩手県に行く機会があったので、大沢温泉に泊まり、古本屋めぐりをしました(2軒だけですが)

地方で3泊以上するときは自炊できる宿に泊まります。ずっと宿の食事では飽きてしまうし、そこに温泉があれば、なおよし。というわけで、自炊できる湯治宿に泊まるのです。

昔は温泉といえば「湯治」だったのではないでしょうか?稲刈りがひと段落したら、温泉に泊まって、ゆっくりお湯にひたり、体の疲れをいやす。

でも今は何週間も何ヶ月も温泉宿に泊まるなんて、優雅でのんきなことはしていられません。それよりは、ふだんよりちょっと豪華な食事、露天風呂‥そんなものが温泉に求められるようになった。

というわけで、(自炊できる)湯治宿はだんだんと数が減っています。なくなってしまう前に、なるべくたくさん泊まりたいと思うのです。

大沢温泉湯治屋

大沢温泉湯治屋 oosawa-onsen

奥にいらっしゃるのが、スーパーオセンのことを教えてくれた浴衣男子たち。

岩手県では、大沢温泉湯治屋に3泊しました。ここには大・小の自炊部屋があり、食器や調理用具もたくさんそろっています。調味料は置いてありませんので、持参しました。

ちなみに、ここで自炊する場合は、食材はスーパーオセン(北上市)で買うのが安くておすすめです。
と、調理場でいっしょになった地元・浴衣男子に教えていただきました。ただしとても安いのですが、とても混んでいます。

歴史ある伝統旅館だけあって、隣近所の音はよく聞こえます。でもすぐそばが川で、川の流れの音が、隣近所の話し声などをかき消してしまいます。

湯治屋に泊まると、お隣の同系列の旅館・山水閣の豊水湯にも入ることができます。湯治屋には、混浴の露天風呂も合わせると、女性が入れるお風呂は3つ。だから全部で4つのお風呂に入れます。

Pono books & time*盛岡市

大沢温泉に滞在中、盛岡市の小さな書店Pono books & timeを訪れました。

清楚な感じの女性がお店番をしてらっしゃいました。カフェが併設されていて、買った本などを読むこともできます。今度来たときは、カフェでお茶したながら本が読みたいです。

小さなお店なのに5冊も買ってしまいました。そのうち2冊は銀色夏生さんの本でした。

山猫堂*陸前高田市

古本屋と同じ敷地に、古道具などを集めたギャラリーも。

こんなところにこんな店が!と思うようなお店でした。改装した古民家のお店の中に、ところせましと並べられた古着、古本、古いレコード‥。ここで過ごすのは、とても楽しい時間です。

古くゆったりしたソファに座りながら、レトロな瓶に入ったコカ・コーラやジンジャーエールを飲むこともできます。(クッキーがそえられていました)。

ここでもコーヒーカップやグラス、ハンカチ、本を数冊、予想外のたくさんの買い物をしてしまいました。

小さな本屋の楽しさ

私の場合、大きな書店に行っても、なぜか買いたいと思う本に出会えず、小さな本屋では、どういうわけか、たくさん買ってしまうのです。

たぶん1つには、大型書店には新しい本ばかりあるからだと思います。新しいからといって、おもしろい(私にとって)本というわけではない。

一方で小さな書店はスペースが限られているから、店主のこだわりの本しか置けない。このこだわりがあるから、面白い。

もちろん趣味が合わない店もありますが、こだわりを持った店主が選んだ本というのは、たいていそれなりに面白い本が多いように思います。

そして大型書店は本が多い。そこで「選べない」状況が生まれます。少ない中から「どれか好きな本を選んで」という方が、選びやすいかもしれない。

銀色夏生さんのお名前はもちろん存じていましたが、では大型書店に行って、彼女の本を手にとってレジに行っていただろうか?

きっと、していなかっただろうと思います。なぜなら他に本がたくさんあるから。銀色夏生さんの本が置いてある場所まで、たどりつけないかもしれない。

たくさんあると、出会いが遠くなる。
人との出会いにも同じことがいえるかもしれません。人がたくさんいる都会だから、多くの人と知り合うチャンスがあるというわけでもない。
小さな町、小さな島の方が、おもしろい人に出会えるチャンスが多いかもしれません。

異性との出会いや結婚も同じではないかと思います。
周りにたくさん異性がいたり、たくさんお付き合いの経験があるからといって、早く簡単に結婚できるわけではない。
そういう人は、いい人に出会っても「もっといい人がいるかも」と思ってしまう。(そして後になって後悔する。)

もてない人は、自分に好意を示してくれる異性が現れると、「もうこんな出会いはないかもしれない」と結婚を急ぐ(かもしれません)。

イスラム圏では男女のお付き合いは原則禁止だけれど、結婚は早い。周囲からのプレッシャーもあるけれど、出会いが少ない分、「この人を逃したら、後がない」と思ってしまうからでは?。

‥と思考がへんなところに発展してしまいました。

大きな書店は、私にとって目的の本を買いに行く場所、小さな書店は、新たな本や作者との出会いを探しに行く場所です。

関連記事
error: Content is protected !!