古宇利島(沖縄県)*旅で天使に出会う方法
旅の天使に出会う方法がもしあるとしたら、私の場合は地元の人に甘えることです。
旅の予定を立てるのが苦手で、かなりアバウトな計画しか立てずに旅立ってしまいます。
その日泊まる宿すら決めていないことも(めったにないですが)。だから時々、ピンチに陥ってしまうのですが、そんなとき地元の人に甘えると、たいてい良い方向に物ごとが進むのです。
古宇利島にて
古宇利島に行ったときは、宿を決めていませんでした。島に泊まるつもりがなかったからです。
名護から最初バスで、そして歩いて屋我地島や古宇利大橋を経由し、島に来ました。そして漠然とバスで名護に戻ろうと思っていました。
ところが島に到着したときはすでに午後3時。名護に帰るには少し遅いです。(名護に宿を確保していませんでした)
「古宇利島ふれあい広場」で飲み物を買って休みながら、これからどうするか考えました。
3時半をすぎ、寒くなってきました。
古宇利島と瀬底島を結ぶバスがあり、それは今帰仁(なきじん)村や本部町を通ります。
ちょうど2時半のバスが行ってしまったばかり。次は夜6時10分です(今帰仁村止まり)。
今帰仁に行って泊まる?
たまたま手元に今帰仁村の観光パンフレットがありました。宿の情報はあるが、見たところほとんどが一棟貸しの宿。
(一軒家に一人で寝るのは怖いなあ。)
こうなったら、古宇利島に泊まるしかないか…。
ふれあい広場のレジのおばさんに「この島に民宿とかありますか?」とたずねました。
(そんなの、あらかじめ決めてから来いよ)と言われそうですが、おばさんは親切に対応してくださって、
「民宿ねえ~この島はほとんどがペンションみたいな宿なのよ。最低でも1万円するの」
「港の近くに一軒、食堂と民宿を兼ねた店があるんだけど、今やってないのよねー」
他にも一軒電話をかけてくれましたが、休みでした。
そこに初老の男性が登場。
「ねえ、この女の人、民宿さがしてるんだけど、どこかないかしら?」
「あそこはどうかな」
スマホを取り出し、アドレス帳の中から目当てのアドレスをさがし、電話をかけるおじさん。
宿の主につながりました。
「今そちらやってる?」
やってるらしい。
「いくら?」
宿泊料を聞いて「高い」と判断したらしく、「もっと安くしといてよ」。
結局5千円になりました。(あとで聞いたら、本来は9千円でした)
その宿はプライベートハウスみたいなものだが、同じ敷地内に大家さんが寝泊まりしているとのこと。
ここからかなり遠いそうで、「5時に送っていくよ。今打ち合わせがあるからね。ちょっとまってて」
5時ちょうどにおじさんは帰ってきて、おじさんの軽トラに2人で乗り込みました。
「明日、帰りはどうするかい?自転車持って行って、おりてくればいいよ」。
ふれあい広場にある自転車を軽トラの荷台に積み込みます。
本来レンタル料が1日500円かかるはずですが、いいのか??
実はおじさんは「ふれあい広場」の責任者の家族でした。
「島は初めて?観光した?まだ?なら島案内するよ」。
なんと観光案内までしてくださったのです!
(ちなみに、島は車で1周すると10分です)
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こういうのは、観光地で宿の数が多い古宇利島だから、できたのかもしれません。
沖縄の離島でも、観光客が多くない島は宿の数が限られていて、仕事の方が泊まっている事が多く、なかなか予約をとるのが難しかったりもします。
だから離島は宿を確保してから行くのが正解です。
本当は何も決めずにぶらりと旅立つのが好きなんですけどね。
(とはいいつつ、事前のホテル選びも、とても楽しかったりして。)