トーブ、カンドゥーラ、ディスターシャ*アラブ男性の民族衣装とイスラム男性の服装ルール
アラブ男性の民族衣装にはトーブ、ガンドーラ、ディシュダーシャ、ガラベイヤなど様々なものがあります。さらに頭にかぶるものはシュマッグ、ゴトラ、クンマなどと呼ばれます。これらについて、詳しくご紹介します。
アラブ男性(湾岸諸国)の民族衣装:トーブ・ディスダーシャ・カンドゥーラ
湾岸諸国の男性は、くるぶしまでの丈のワンピース型の服を着ています。名前は「トーブ(ソーブ」or「ディスダーシャ」or「カンドゥーラ」などで、微妙な違いによって名前が変わります。その違いは「襟」の形です。
①トーブ(ソーブ)‥サウジアラビア、バーレーン、カタール
トーブは襟ありです。その形は日本男子の学生服に似ています。またトーブの色はほぼ白です。
襟の部分を拡大してみます↓
②ディスターシャ‥オマーン・クウェート
ディスターシャは襟なしです。襟の部分に紐の飾りがついています。
襟の部分を拡大↓
トーブと同じく色は白なのでわかりづらいですが、紐飾りがついています。
なおトーブやカンドゥーラ(下)はほぼ白のみですが、ディスターシャは白、茶色、水色など様々な色があります。
③カンドゥーラ‥UAE
襟なし。ボタンが3つ正面に付いています。色はほぼ白。
襟の部分を拡大↓
アラブ男性(湾岸諸国)の頭の被り物:シュマッグ・ゴトラ・クンマ
湾岸男性が頭にかぶるものは、「布」「帽子」があります。
①布(シュマッグorゴトラ)
布の色は「白」か「赤と白の千鳥格子」です。この布の名前は、国によって違います。色の違いによって名前が違うのではなく、国によって呼び名が変わります。
・「シュマッグ」=サウジアラビア、バーレーン
・「ゴトラ」=カタール、クウェート、UAE(シュマッグと呼ぶことも)
布の上に滑り止めの黒い輪っか「イガール」をのせます。イガールは綿と絹のものがあります。
②帽子「クンマ」‥オマーン
クンマはオマーン男性だけがかぶります。オマーン男性は、クンマ以外に布を頭に巻くこともあります。布は様々な色や柄があり、被り方もターバンのようにくるくる巻いて頭に載せます。イガールも使いません。
アラブ男性(エジプト・モロッコ)の民族衣装
エジプト:ガラベイヤ
ガラベイヤはくるぶしまでのワンピースです。色は茶色、水色など様々です。白もありますが、どちらかというと特別な日のためのもの。湾岸諸国のワンピースに比べ、襟ぐりが広めになっています。
都会の若者はガラベイヤではなく、シャツとズボン姿が多いです。この点、トーブやカンドゥーラが日常着となっている湾岸諸国と違います。ただ誰でもガラベイヤを必ず1着は持っています。
モロッコ:ジェラバ
ジェラバも同じくロング丈ですが、これはワンピースというよりコートで、頭にかぶるフードがついています。ジェラバは女性も着用します。
アジアのイスラム教徒男性(バングラデシュ・パキスタン)の民族衣装
バングラデシュ:パンジャビ
主に結婚式など特別な場で着用します。ふだんは右の男性のようなシャツとズボンを着ています。
パキスタン:シャルワールカミーズ
シャルワールカミーズは、丈の長いシャツとゆったりしたズボンの組み合わせ。とても涼しそうです。パキスタン男性は湾岸諸国などに大勢出稼ぎに出ていますが、そこでもほとんどの人がシャルワールカミーズを着ています。きっと着心地バツグンなのでしょうね。
イスラム男性の服装ルール
男性も肌を露出しないのがルール。そしておへそから膝までは隠すべきとされています。
イスラム教徒の服装というと女性ばかり話題になりますが、男性にも慎みが求められています。
ただ隠すべき場所が男女で違います。女性は顔と手以外ですが、男性はおへそから膝までです。
女性の方が隠す部分が多いのは、男性より美しいものと考えられているからです。
男性も慎みがマナー。短パンなどで町を歩くのは、はしたない行為です。
私の知人がイラン滞在中半ズボンで町を歩いていたら、現地男性に罵声を浴びせられ、急いでホテルに帰って長ズボンに履き替えたそうです。半ズボンは自分の評価を下げるだけでなく、相手に対して失礼を当たります。
ターバンや帽子は義務?
髪を隠すのは義務ではありません。
帽子やターバンをかぶっている人がいますが、その地域の慣習です。
ひげは義務?
イスラム教の男性で髭を生やす人が多いのは、預言者ムハンマド がそうしていたと言行録ハディースに書いてからです。これは預言者ムハンマドの行いを記録した書物。それは今も信者の手本となっていて、人々は預言者の行ったようにしたいと思うのです。最近はひげがない方が女性にモテるとかで、ひげをはやさない男性もけっこういます。
*ヒジャブ、ブルカ、二カブ、チャドル‥‥イスラム女性の服装を解説
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