世界幸福度ランキング上位13カ国を旅して知った「幸福になれる簡単な方法」
「幸福」に興味を持ったドイツ人の著者が、「世界幸福度ランキング上位の13カ国」の国々を旅し、幸福の理由を取材してまとめた本「世界幸福度ランキング上位13カ国を旅してわかったこと」。
「幸福度が高い国」は、デンマーク、アイスランド、スイス、フィンランド、メキシコ、ノルウェーなどです。
これらの国を訪れ、そこに暮らす幸福な人々にインタビューを重ねます。
「あなたはの幸せの源は?」
「生活でいちばん大切なものは何?」
「どうしたら幸せになれますか?」・・・。
その結果、大半の国で幸せを感じる理由は共通していたそうです。
今、この瞬間を楽しむ
幸福になれる秘訣の1つは、「今この瞬間を楽しむこと」です。
ところが、私たちは幸福の只中でも、ついつい将来のことを考えてしまいます。
大好きな人と公園を歩いている時。
幸せな気持ちになる一方で、「ああ、こんな幸せがいつまで続くのだろうか」などと、せつない気持ちになったり、ということはありませんか?
幸せな人々は、そうは考えません。
「今」に集中し、この瞬間を楽しむのです。
「アイスランド人は未来を待つ国民ではない。魚がそこにいれば、すぐに釣る。
将来を不安に思う必要がどこにある?
何か不安なことがあっても、それが起こるのは明日で、今日ではない。」
将来のことを心配して色々と準備するのは、たしかに大切です。
でも1年後に生きている保証はありません。
過去も未来も、自分ではどうすることもできません。
何かできるのは「今」だけです。
「今という瞬間は、離れていたいと考えるほど悪くはない。なのに私達は人生の半分を「もっと魅力的な将来」を待って過ごしている。今をよくしようとせずに。」
自然と親しむ
幸福度が高い国の人たちは、自然との絆を強く感じています。
川辺でバーベキュー、公園でおにぎりランチ、こんな素朴なことで十分なのです。
デンマーク人は、海辺から60km以上は離れて住まないとのこと。
「海辺のどこかに座って海を眺める。どんな水でもいい。私たちは落ち着いてきて、ふたたび自分を感じるようになる。
脳がつまらないことをペチャクチャしゃべることはなくなる。私に言わせれば、これは一種の瞑想だ。
水辺の住民は他の人たちより満足度が高いという説もある。
「自然との絆、それはまさにフィンランド人の幸せの源泉よ。太陽が輝いていること、そして夏になるとサマーハウスに滞在して湖畔や海岸をぶらついたりできることを誰もが喜んでいる。それがフィンランド人にとっての幸福なの」
たとえ極寒の中でも、自然を楽しむことはできる。
あるアイスランド人は言います。
「たとえば凍ついたり雪が降ったりしたら、戸外の温泉にゆっくりひたってリラックスすればいい。
健康と幸福にとてもいいし」
日々の小さな幸せを味わう
朝ぐっすり眠れること。おいしくごはんが食べられること。
そんなささいなことの積み重ねが、「人生の幸福」です。
すぐ手の届く毎日の生活の中にこそ、幸せのタネがある。
大事なのは、それを「見る目」を養うことです。
「日が昇り、日が沈むのをあるがままに見ること。
昼になり、昼が去っていくのを、そして時間が続いているのをあるがままに見ること。
というのも、毎日が新しい1日だから。今日をいい日にするにはどうしたらいいか?そう考えれば、生活が素敵になる。
これは楽しいことよ」
「オーストラリア人が幸せな理由?
月並みかもしれないけど、幸せな人は単純なことを大切にしてるわ。
晴れた1日を自由に過ごすとかね。親友と仲間。おいしい食事と家族。」
「幸せは心の中から生まれてくる。何が人生において本当に重要かを考えるのは大事なことだよ。
最新のコンピューターやこの上なく見事な時計を買うことじゃなくて、自分が日々の生活を味わうことだ。朝起きて、日差しを浴びて、子供たちと一緒に森にキノコ狩りに出かけて・・・・」
人間関係を大切にする
「ここでは、みんな仲よしだね。なぜって、誰もひとりでは幸せになれないから」
カナダの「幸福研究科」チームの研究によると、「人間関係」が幸福と人生に満足感を及ぼす影響は、「所得」の5倍だそうです。
それを受けて、ドイツ人の著者は自分の周囲の生き方を振り返ります。
「世の中には、時間を効率で測る人がいる。人間関係まで効率で測る人もいる。
かくいう私も例外ではないだろう。
いくつかの国では、人間関係はむだなこと、時間を失うこととみなされている。
そんな時間があったら、仕事をすればいいと。
だがその時間を友人や家族と過ごすのは、時間を失うことではない。
幸せになるにはその無駄が必要なのだ。」
最後に。この本の中に出てくる幸せな人々の言葉は、どれも詩的で美しい。それがこの本の魅力です。
幸福な人は、ちょっとした物事を楽しみ、そこに幸せを見つけ出す感性をもっているのでしょう。
「人は一生を終える時、何が重要だったかを知る。
それは、いくつかの小さな瞬間で、人はそれを思い出してほほえむのさ。
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