なぜアラブのカフェには男性しかいないのか?
中東アラブ世界のカフェには、男性の姿しかありません。これは「男性限定」という決まりがあるわけではなく、イスラムという宗教のせいでもなく、慣習です。
女性が入ると、はしたないと思われるようです。だから女性自身もあえて入ろうと思わない。
こういう状況に対して「女性が差別されている」とのご意見が聞こえてきそうですが、日本にも似たような状況がないわけではありません。
日本にも女人禁制が
大相撲の土俵には女性は入れませんし、山岳寺院や修験の山々でも女性の参拝を許可してこないところはたくさんありますよ。
明確に女人禁制でなくとも、「女性が入りづらい」or「女性がめったに入らない」店もあります。牛丼店や立ち食いそば店などは、そうでしょう。
逆に男性が圧倒的に少ない店もあります。スイーツ店とか、とてもおしゃれなカフェとか。
男女は違うものなので、どんな社会にもそれなりのジェンダー空間の違いはあります。
なぜイスラムでは男女隔離?
とはいっても社会の男女隔離は、イスラム圏の方がポピュラーと言えるでしょう。学校や結婚式は男女別ですし、バスや電車も男女のスペースが分かれている。
これは「男女は互いに惹かれ合うもの」という考えが根底にあるからです。
男性は女性の誘惑に惑わされやすい。一緒にしておくと、問題が起こるかもしれない。代表的なものは痴漢です。男女の距離をはなした方が社会の平穏が保たれるだろうと考えるのです。
しかしこれも不思議ですが、イスラム圏では意外に女子大が少ないのです。大学といえばほとんど共学。日本ほど女子大の数は多くありません。
男女間の秘密
話を牛丼店に戻すと、女性客を取り込もうと、メニューに工夫をこらしたりしている店もあるようです。
が、そもそも女性一人でぶらっと気軽に牛丼屋に入れる社会が理想的な社会なのでしょうか?
また女性が多くなると、入りづらいと感じる男性も増えはしないでしょうか?
「女性のみが入りやすい店」があり、「男性のみが入りやすい店」があるのが自然な気がするし、楽しくないでしょうか?
異性の様子がわかりすぎる、見えすぎてしまうのは、つまらない気がします。
男女間に適度な距離があって、秘密めいたものが存在する方がワクワクする。私はそんなふうに考えますが、いかがでしょうか?
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