【厳選】モロッコを知る4冊の本
モロッコを知るのに最適な本を4冊ご紹介します。
『サラムモロッコ』
モロッコが好きで暮らした著者の思いがギュウギュウに詰まっているのが感じられる本です。
普通では得られない旅のヒントが随所に書かれています。
「モロッコで建築物の内部を見る場合、必ず見てほしいのが天井。
細かい彫刻やカラフル名模様の素晴らしさにハッとする。」
「(フェズの)メディナに足を踏みいれる前に絶対行きたいのが、丘高いところにある南の砦。
ここからの景色が、私がモロッコでお気に入りの景色ベスト3のひとつ。メディナの全景が見られる。
ここには朝一番で行くのがおすすめだ」
きれいな写真が豊富で、見ているだけで楽しい。
パラパラとめくっていると旅心を刺激される本です。
『モロッコ―北アフリカ (〈旅する21世紀〉ブック望遠郷) 』
モロッコの建築から生物、料理などあらゆるテーマについて詳細に解説した本。
図やイラストも豊富で、かなり踏み込んだ内容となっています。その詳しさは、辞典、図鑑と言っても良いくらい。
例えばモスクのミナレットについては、ラバト、マラケシュ、タンジェなどの主だったモスクをとりあげ、その形状やデザインの特徴を述べています。
もちろん旅行情報も詳細で、マラケシュの「クトビヤ」などは見開き1ページを使って説明しています。
モロッコに一度行ってハマり、「もっと詳しく知りたい!」という人におすすめです。
『迷宮都市モロッコを歩く』
主にメディナ(旧市街)の構造について詳しく述べた本。
各町のメディナの地図に加え、マドラサ、モスクの平面図まで掲載されています。
この本を片手に歩けばメディナ歩きがよりいっそう楽しくなるはず。
とくにフェズのメディア中心部の描写は圧巻。カラウィーンモスク周辺の地図なども掲載されています。
ここで道に迷ってグルグル歩き回った私は、「ああこの本があったらよかったのに」と思いました。
個人的にはサレ(首都ラバト対岸の町)のメディナの地図が非常に役に立ちました。
『紀行モロッコ史』
イドリース朝、マリーン朝など歴代の王朝の流れに沿うように、見どころを歴史的背景から紹介した本。
とても平易な言葉で書いてあるため、歴史が苦手な私の頭にもすっと入りました。
歴史書というよりは紀行本で、著者の感想が随所に述べられているのも興味をひかれます。
たとえば、モロッコのモスクの特徴について。
「モロッコの神学校全体についてもいえることだが、日本人にとって、実に親近感が持てる渋さで統一されている。
中近東、殊にイランやトルコのモスクを多く見た目には、これは正しく驚異だった。
ユーラシアの極東の国、アフリカ大陸の極西の国、この二つの国の色や形の嗜好が似るのはおもしろい。
それは、流入文化がそこで煮詰められ、純粋培養されることによって、より無駄なもの、けばけばしい色が落とされて洗練の土をたかめていった結果なのかもしれない。」
たしかにイランのモスクはとても美しいのですが、やや派手さが目立ちます。
その点モロッコのモスクは実に渋く重厚な美しさがあり、何時間見入っても飽きることがありません。
モロッコの旅を計画している方の参考になったら幸いです。
女ひとりでモロッコ、チュニジア、オマーンなどを旅した旅行記。モロッコではラバトのプー太郎青年と知り合い、彼の自宅や古い邸宅に暮らす友人宅を訪ねた歩いた体験、カスバ街道の美女とハマムで汗を流した話などが書かれています。