『あしたも、こはるびより。』*老夫婦2人の豊かな田園生活
こんなふうに年をとりたいなあと、ため息がこぼれました。「あしたも、こはるびより。」。
つばた英子さん(83歳)としゅういちさん(86歳)の夫婦の菜園生活を、綺麗な写真やイラストとともに紹介しています。
食材は自宅の「キッチンガーデン」から
2人は30年以上にわたり、名古屋市郊外でキッチンガーデンのある家に暮らしてきました。ガーデンの広さは200坪。毎日の食卓には、このガーデンでつくられたものが並びます。
春はそこでとれたイチゴでショートケーを、秋は栗きんとんを作ります。とりたてのじゃがいもを使ったポテトサラダや、野菜をふんだんにピザなど、ご夫婦の食卓は素材の持ち味を生かした自慢のレシピばかり・・・。
キッチンガーデンには落ち葉と野菜くずでつくった堆肥を使い、化学肥料はいっさい使用しません。生ゴミは堆肥の原料になるので、ほとんどゴミがでない暮らしをしていらっしゃいます。まるで、この家とガーデン、雑木林が、ひとつのエコビレッジのようです。
大きなワンルームに暮らす
夫婦が暮らすのは、玄関のない72平米のワンルームの丸太小屋です。家の中央には大きな食卓があり、片側に籐製のベッドが二つならんでいます。いつどこにいても、おたがいが目に入ります。
「けんからしいけんかって、したことないの」(英子さん)というほど、仲がよいご夫婦。50数年同じ空間で同じ空気を吸って生きてきた2人には、それぞれの思いやりが、長い年月の間に熟成されていったのでしょう。
いつも来客が
ご夫婦の家には、いつも多くの来客があります。娘さん家族や友人知人、雑誌の取材などです。英子さんの手料理やしゅういちさん手作りのベーコンなどが楽しみだからです。
ご夫婦はともに80歳をすぎているのに、日々とても忙しい。保存食を作ったり、もてなしの料理を作ったり。英子さんは、「おもてなしのおかげで生活にハリが出て、逆に私たちの方が生かされていると感じるんです」。
年をとれば、誰でも体の自由がきかなくなり、遠くへ行くことが億劫になるもの。ずっと家の中に閉じこもりがちになります。ご夫婦の暮らしように、いつも誰かが訪れてくれたら、毎日が楽しく、こんなに素敵なことはありませんよね。
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