パキスタンの結婚式の流れ*メヘンディ・シャディ・ワリマ
パキスタンの恋愛・結婚事情については以前書いたので↓、今回は結婚「式」について、ご紹介します。
(*パキスタン人の恋愛結婚事情【結婚まで顔を見ないことも】)
パキスタンの結婚式
その結婚式は、メヘンディ→シャディ→ワリマの順です。
家族・親戚を大事にし、大家族制が生きているパキスタンでは、結婚はとても重要なものです。
結婚式での招待客数はとても多く、平均すれば400人~1000人。ホテルやレストランでは収容しきれず、しばしば結婚式専門のホールで行います。
結婚式シーズンは、涼しくなる12月から3月頃まで。式の開始は夜10時くらいで、食事が出るのは12時頃。解散は夜中の1~2時くらいです。
①メヘンディー(身支度の儀式)
結婚式前日に「メヘンディの儀式」があります。
メヘンディとは、植物染料の「ヘナ」を使って、肌に模様を描くこと。
(ヘナについては、「イスラム女性のおしゃれ②ヘナ・アート」)
ヘナ模様を花嫁(時には花婿も)に施すことは、東はバングラデシュから西はモロッコまで、イスラム世界で広く行われている慣習です。さらには、インドでも。いったいどこが発祥なのか、興味深いところです。
そしてパキスタンのメヘンディでは、「ウブタン(ターメリックやハーブから作られる)」のペーストを花嫁の顔や手に塗り、肌の手入れを行います。花嫁はこの儀式によって、数日後の結婚式に備えるのです。
そして踊り。この家族はオープンな家柄なので男女一緒に行いましたが、保守的な家庭はメヘンディを省略したり、男女別で行うこともあります。
②シャディ(結婚式)
シャディは花嫁側がお金を払い、主に花嫁の親戚知人を招待します。
式と同時に「ニカー(結婚契約式)」を行うことも多いです。(下)
ニカーでは「結婚契約書」を作成。イスラムの学者や複数の証人の前で契約書に署名します。
(「ニカー」について詳しくは「【永久保存版】イスラム教の結婚ルールとは?」をご覧ください)
③ワリーマ(披露宴)
ワリーマ(披露宴)では、花婿側がお金を払い、主に花婿の親戚知人を招待します。
花嫁の衣装がとてもシックです。シャディの時の華やさとまた雰囲気が違って、とてもいいですね。
ウェディングゴールドは夫の甲斐性
パキスタンのウェディングでは、女性達はここぞとばかり着飾ります。ありったけのゴールドを身につけて参加。
「私はこれだけ主人に愛されて、いっぱいアクセサリーを買ってもらっているのよ」というアピールなのだそう。
それができない場合、彼女のご主人の面目は丸つぶれ、なのだそうです。
イスラムでは、家計の負担はすべて男性持ち。「男は家にお金を入れるだけさ」とあるパキスタン男性は嘆いていました。
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【参考図書】
20年間にわたり取材したイスラム女性たちのリアルな日常を紹介。モロッコ、チュニジア、エジプト、イラン、パキスタン、モルディブ‥‥。恋愛、結婚、歌と踊り、デート。「抑圧」などメディアによって作られたイメージと違う、生き生きした女性たちの実像を紹介します。
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