イスラムの男女関係はなぜ厳しいのか?*婚前交渉を禁止する理由
イスラムでは婚前・婚外交渉は禁止です。なぜそこまで男女関係に厳しいのでしょう?
女性保護
結婚外の男女関係を禁止する理由の1つは女性保護です。女性の望まない妊娠を防ぐため。だから男性に「やりたければ、ちゃんと結婚してからにしろ」と教えるのです。
「結婚などめんどくさいこと抜きに、おいしいところだけいただきたい」などと考える男性もいます。男性のこういう身勝手な欲望は許されないシステムになっています。
日本ならお付き合いして体の関係まであるのが普通ですが、そんな関係でも男性に他に好きな人ができたら、「ごめん」の一言でさようなら、もできます。あちらではムリ。婚約してはじめて、2人が会うことができるのです。
当然婚約破棄も多いし、離婚もあります。それでもやはり、「じゃ体の相性を確かめてから結婚しましょう」とはなりません。
「家族」に価値を置くため
婚外交渉を禁止するのは「家族」に価値を置くためでもあります。夫婦以外の関係は、家族の価値を損なうことになる。だから禁止です。家族は社会の最小単位。その家族を大切にすることが、社会の秩序を保つことにつながる、そういう考え方です。
「性」は大切なものだから
イスラムでは「性」を生きる上での大切なものと考えています。だから聖典コーランには性の話がちりばめられている。大切なものだからこそ、きちんと契約して結婚した夫婦間だけで楽しむべきとするのです。夫婦内の性は「善行」です。夫婦生活を楽しむことは、天国に近づく行為なのです。
結婚してから「恋愛」
イスラムでは結婚外の交わりには非常に厳しい反面、結婚内の性を積極的に奨励しています。ムスリムたちは「結婚してから恋愛」を楽しむのです。楽しむには、結婚前は自制した方がいいというわけです。
(*イスラムの性を理解する重要なポイント①結婚の内と外の二面性)
誘惑がないのもまた良し
こうしてイスラム社会では、異性との交わりは夫婦に限られます。これはこれで意外に悪くはないでしょう。外では黒づくめの女性ばかりですから、ご主人は変な誘惑にまどわされなくてすみます。奥さんにとっては、ご主人は浮気することなく、自分のことだけを見ていてくれる。地味だが心穏やかに暮らせるかもしれません。