2020-08-30

ウドゥーとグスル*イスラムの浄めの方法

礼拝前の浄めウドゥー

インドネシアの小学校の礼拝の時間に、浄めを行う女子生徒たち。

イスラムでは清潔さが大切にされ、礼拝の前などには必ずウドゥーグスルという「浄め」を行うことが務付けられています。

イスラムは清潔さを重視する

イスラムは清潔さを大切にします。聖典コーランには「おまえたちが汚れの状態にあれば身を浄めよ」(5:6)とあり、身を浄めることが信者の義務とされています。

ハディースにも「浄めは信仰の半分」とあります。

「汚れ」の状態の時は、所定の浄めを行なわなければ、礼拝したりモスクに入ったり、コーランに触れたりすることはできません。

ある日、シャディアと一緒にテレビを見ていると、彼女は言った。「フジヨ、そろそろイスラム教徒になる気になった? 今日は礼拝と浄めの手順を教えてあげるわ。生理じゃないわよね?」 私はその時、たまたま生理中だった。「じゃ、無理だわ。生理中はコーランを開いてはいけないし、礼拝もしちゃいけない。生理の血はきれいじゃないから。そんな体で礼拝できないわ。終わったら、生理の間着ていた服は全部洗って、体中をきれいにするの。血の臭いがすっかり消えるようにね」(「女ノマド、一人砂漠に生きる」)

汚れと浄め(ウドゥーとグスル)

汚れには2種類あり、それぞれ浄める方法が決まっています。

小汚(大小便、分泌物、おなら)←「ウドゥーwudu」によって浄める
大汚(性交、射精、生理、出産、死体に触れた後)←「グスルghusl」によって浄める。

ウドゥーの手順

1日5回の礼拝前には必ずるウドゥーを行います。モスクには必ず水場があり、モスクで礼拝する際はそこで「ウドゥー」を行います。

「ウドー」の手順:

最初にウドゥーの意思表明をし、ビスミッラーと唱えます。その後、下の順に浄めます。

①両手を3回洗う。
②口を3回すすぐ。
③鼻に3回水を吸い、吐き出す。
④両手で顔を3回洗う。
⑤両手を肘まで3回洗う。(右→左の順)
⑥濡れた両手で頭を前後にぬぐう。
⑦耳の中、耳たぶと耳の裏をぬぐう。
⑧両足をくるぶしまで3回ぬぐう。(右→左の順)。

礼拝前におならをしたり、トイレに行ったりしたら無効になります。またやり直しです。浄めも礼拝も、途中で中断したら1からやり直しです。

特別な祭りの礼拝などでないかぎり、浄めと礼拝はセットで20分ほどです。

グスルの手順

こちらがグスルの手順です。

①ビスミッラーと唱える。
②グスルを意図する。
③両手を3回洗う。
④陰部とその周辺を洗い、汚れを落とす。
ウドゥーをする。
⑥両手をみずにつけ頭髪をすいて濡らす。
⑦頭を、耳を含め3回、両手に水をすくって洗う。
⑧体の右半分を上から下に水を流し、左も同様にする。

(参考:「岩波イスラーム辞典」)

このようにグスルには定まった手順がありますが、全身浴やシャワーを浴びるだけでも良いとする法学派もあります。

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