イスラムで男女の服装ルールが違う理由
イスラム女性はヒジャブやニカブなどの布で髪やボディラインを隠しています。なぜ女性ばかり隠すことを要求されるのでしょうか?それは男女差別ではないですか?そんな疑問に答えます。
男女とも服装ルールがある
イスラムというと女性の服装ばかりが注目される傾向にありますが、男性にも服装規定があります。「おへそから膝まで隠す」です。それ以外は出しても良いのですが、実際にはほとんどの男性が全身の肌を隠しています。
アラブ男性の民族衣装は、長袖でくるぶしまでのロングのワンピース。夏には半袖で歩く男性もいますが、半ズボンはほとんど見かけません。男女とも肌を見せるのは好ましくないこととされています。
イスラムでは慎みを重んじる
肌を見せないのは、中東やアラブは慎みや羞恥心を尊ぶ文化だからですです。公衆浴場では、同性同士であっても陰部は見せず、下着をつけて入ります。男性も女性もです。
コーランでは、女性とともに男性にも慎みを求めています。
「(預言者よ、)信仰者の男たちに、彼らの視線の一部を (見ることを禁じられた物事から)低め、その陰部を (禁じられた物事から)守るよう、言え。それが彼らにとって、より清いことなのだから。」(24:30)
また現地の気候の関係もあります。中東の日差しは強烈です。肌を見せないのは肌を守る意味もある。
男女で隠す場所が違うわけ
このように男性にも服装規定がありますが、隠すべき場所は男女で違いがあります。男性は「おへそから膝まで」・女性は「顔と手以外」。男女で違いがあるのは身体の構造が違うからです。水着ゾーンで考えてみると分かりやすいと思います。
(出典:とにかく明るい性教育)
水着ゾーンは「他人に見せても触らせてもいけない、自分だけの大切な場所」。セクシャルな部分。これは男女で違います。体の構造が違うからです。これを見て「女子だけが胸を隠すのは女性差別!」とは普通はなりません。
イスラムでは髪はセクシャルな部分
イスラム女性が髪も隠すのか?イスラム文化では髪はセクシャルな部分とされるからです。日本では女性は髪を隠す習慣がありませんが、これは宗教的・文化的違いです。
髪を隠さない日本人から見れば、「スカーフをかぶらされている」という印象を受けますが、本人にとっては、ごく自然なこと。「不自由」という感覚はありません。
20年間にわたり取材したイスラム女性たちのリアルな日常を紹介。モロッコ、チュニジア、エジプト、イラン、パキスタン、モルディブ‥‥。歌あり踊りありデートあり。「抑圧」などメディアによって作られたイメージと違う、生き生きした女性たちの実像を紹介します。