イスラムとフェミニズム*共存する?対立する?
「イスラムは男女不平等0r男女差別」とフェミニストの方には映るかもしれません。たしかにイスラムとフェミニズムは相容れないものです。根本的に男女観が異なるからです。
イスラムの男女観とは?
イスラムは「男女の違い」を明確にする宗教です。「男女は違うもの」というのがイスラムの出発点。ですから「男女の差異をなるべくなくそう」というフェミニズムの観点とは、出発点から異なります。
「われ(アッラー)はすべてのものを男女の対に創った」(コーラン51:49)
「アッラーは天地の創造者、汝らのために汝らのなかから男女の対を、家畜にも雄雌の対を創った」(42:11)
女性は生理があり、出産することもある。男性にはそれがない。生物学的な違いは厳然と存在します。ただそれはあくまで「違い」であって、上か下かを意味するわけではありません。
男女は平等だが違うもの
このような男女の違いに基づいた役割の違いを認識した上で、イスラムでは男女の平等を唱えている。つまりイスラムの男女平等とは、「男女の違いの上に立つ平等」で、何もかも同じではありません。
(*:イスラムでは女性は差別されている?イスラムが考える「男女平等」)
「男女が全く同じ」はムリがある
「違いを認めるのは本当の意味の平等ではない」という意見もあるでしょう。本当にそうでしょうか?
オリンピックを例にとって考えてみれば良いと思います。オリンピック競技は男女別々に行われます。男性の世界記録と女性のそれは分けられています。もし男女を分けないことが本当の平等だとしたら、両者は一緒に競技するのが正しいはず。しかしそうはなりません。肉体的な条件が違うからです。
フェミニスト的平等を追求するとしたら、生理中も男性と肩を並べて夜遅くまで働いたり、妊娠・出産中も休まず働くことになります。しかしこれは女性にとって辛い。何もかも同じにすることは(特に女性に)無理があるのです。
イスラムで女性のみ免除されていること
男女の違いから、女性にだけ免除されていることがイスラムにはあります。
まず生理中の礼拝です。生理が終わり、できる状態になったら、その埋め合わせします。(日本の会社に生理休暇があるようなものでしょうか)。
生活費は男性の負担です。女性は出産があり、その間は思うように働けない。だから生活費は男性の義務とした。女性の労働を禁止しているわけではなく、稼いでも家にお金を入れるかどうかは自由です。
(*イスラムの結婚における男性の経済的負担は大*マフル、持ち家、離婚時の慰謝料クじゃない)
男女の違いに応じて、無理のないように生きよというのがイスラムの考えです。そしてそれはフェミニストが唱える全ての面の男女平等よりも自然で、人にやさしく、また理にかなっているのではないでしょうか。
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