イスラムと日本の道徳の共通点*<イスラムはどんな宗教?>
イスラムの教えには、「親孝行せよ」「嘘をつくな」「人を殺すな」など日本の「道徳」と類似するものが少なくありません。
イスラムは日本の道徳と似ている
イスラムは信者の「生きるルール」です。(*イスラム教の特色②生きるルール:聖と俗を分けない)
コーランには礼拝など宗教的な内容以外に、商売、結婚、相続、人間関係など「日常生活のあらゆること」が書かれています。
さらにその「日常生活のあらゆること」には、「親孝行せよ」「嘘をつくな」「人を殺すな」など日本の「道徳」に似たものも多く含まれます。
コーランにおける「10の命令」と言われるものがあります(6:151~153)。「人として大切なこと」を説いたものです。
1 アッラーの他に一切の神を認めないこと
2 両親にやさしくすること
3 いくら貧乏でも自分の子供を殺さないこと
4 性的な不品行なことに近づかないこと(婚外交渉など)
5 人を殺すないこと
6 孤児の財産を守ること
7 商売において計量をごまかさないこと
8 公正な発言をすること
9 神との契約を履行すること
10 イスラームとの教えに従うこと
生きる上のマナーやエチケット
またイスラムの教えには生きる上でのマナーやエチケット的なものもあります。
●貧しい人を助けよ
「(あなたがたの良い施しは)アッラーの道に、専従しているため、大地を闊歩できない困窮者のため」
(2章273節)
●情けは人のためならず
「あなたがたが施す良いものは、みなあなたがた自身のためである。」(2章272節)
●お金を使う時のマナー
「金を使うにも、浪費せず、かといってけちけちするでもなく、その中間をいく」(25章64節)
←お金をつかうときは、むだつかいせず、ケチケチせず、「ほどほど」がいい。
●あいさつについて
「誰かに丁寧に挨拶されたら、それよりもっと丁寧に挨拶し返すか、せめて同じ程度の挨拶を返せ」(4章88節)
●公衆でのエチケット
「あなた方が互いに大声なほどには、かれに大声で話してはいけません。自分の善行が知らないうちに帳消しにならないために。」(49章2節)
←まわりにひびきわたるような大きな声で話さないようにしよう。
●足を知る
「何事も規(のり)を越してはいけない。アッラーは規を越す人を好み給わぬぞ」(5章87節)
宗教とは「人間らしい生き方」を教えるもの
つまりイスラムは「人間らしい生き方」を教えるものです。
自分だけが得することだけ考えたり、自分の欲望だけを満たすのは動物と一緒です。余った金は困った人を助けるために使いなさい、それが人間らしい生き方だ、成熟した大人だと教えるのです。
「イスラムはわかりにくい」という方の参考になれば嬉しいです。
*「イスラム流幸せな生き方」
中学生でもわかるイスラム入門書。なぜ世界中でイスラム教徒が増え続けているか?がわかります。