イスラム女性の服装*世界のムスリマ・ファッション最前線!
イスラム女性は、スカーフで髪を隠し、身体のラインを隠しています。ではおしゃれと無縁なのでしょうか?
実は世界で最もおしゃれなのがイスラム女性たち。「肌を見せず、体の線を目立たせない」服装の基本さえ守れば、どんな格好をするのも自由です。(*「イスラム女性の服装ルールとは【永久保存版】」)
世界のイスラム女性たちの服装&ファッションを、イスラム人口が多い国からご紹介します。
世界でムスリムが多い国は?
世界でムスリムが多い国は、以下の順となっています。
1位:インドネシア
2位:インド
3位:パキスタン
4位:バングラデシュ
5位:ナイジェリア
6位:エジプト
7位:イラン
8位:トルコ
9位:アルジェリア
10位:イラク
1位から順に女性の服装を紹介します(ナイジェリア 、アルジェリア 、イラクをのぞく)。
インドネシア女性の服装
今世界のイスラムファッションをリードするのはインドネシアの女性。国内にはイスラム・ファッションブランド、ムスリマ(イスラム女性)向けのファッション雑誌が多数あり、それらが連携して「世界のイスラムファッションをリード」するべく活動しています。イスラム関連のファッションショーも毎年行われています。
1万8000の島があるインドネシア。もちろん島や民族によって服装は様ざまです。ただイランのチャドルのような黒い長衣を着た女性は、ほとんど見かけることがありません。(これは信仰心の度合いとは無関係です)
イスラムファッションをリードしているお国柄か、女子は小さな頃からカラフルなスカーフをかぶっているこが多いです。
インドのムスリム女性の服装
世界で3番目にイスラム人口が多いインド。2050年には世界で最もイスラム人口が多い国になると予測されています(上の調査)。インドでイスラム教徒が多いのは南部のケララ州などですが、写真は南東部の大都市チェンナイの女性。ちなみにイスラムでは「女性が顔をかくせなければならない」という決まりはありません。
パキスタン女性の服装
パキスタンの女性が身につけるのは、「シャルワール・カミーズ」という民族衣装。これは丈の長いワンピースとゆったりとした形のズボンです。スカーフは被っている人、いない人がいますが、大都市に住む高学歴の女性は、かぶらない人が多いよう。
ただパキスタンは南北に長く広い国土を持つ国なので、民族や宗派も多様。北部のギルギットなど保守的な町では、ブルカなどで顔を隠した女性も多く見かけます。
(*パキスタン女性の服シャルワール・カミーズを買う*in イスラマバード&ラホール)
バングラデシュ女性の服装
バングラデシュの女性も「シャルワーズ・カミーズ姿」がほとんどです。パキスタンとの違いは、バングラデシュの女性は半袖が多いこと。パキスタンほどイスラム色が強くないことも関係しているのかもしれません。
(*バングラデシュの村の小学校*結婚生活とテキストの味わい。)
エジプト女性の服装
最近のエジプト女性のスカーフは、インドネシア女性と並ぶくらい鮮やかです。ヒジャブ(スカーフ)の巻きかたも人によって様々。工夫を凝らしているのがわかります。
イラン女性の服装
イランといえばチャドルを思い浮かべますが、若い人は丈の長いワンピースやコートを好んで着ます。ただしモスクや聖者廟など宗教施設に入る時は、チャドルを身につけるのが決まりです。
トルコ女性の服装
若い女性はイランと似ていて、丈の長いコートやシャツ&ジーパンという服装が多いです。(↑上の女性のピンクのサンダルが可愛い)(セルフィーが大好きという点も共通しています)。
トルコはアタチュルクの時代に近代化を押し進め、都市部を中心にかなり西洋化していますが、髪を隠した女性を多く見かけます。これはもちろん地域などによって違いがあるものの、トルコ=西洋的というイメージからすると意外に感じます。
イスラム女性の服装まとめ
イスラム女性というとブルカやニカブで顔を隠した姿をイメージする方も多いと思いますが、実際には、ごく一部。大多数はカラフルな色や柄の服を着て、思い思いのお洒落を楽しんでいます。真っ黒な服を着なければならないという決まりもありません。肌や体の線を見せないという制約はあります。それがかえって女性らしい慎みや清楚さにつながっていると言えるでしょう。
【参考図書】
イスラム女性たちのリアルな日常を紹介。モロッコ、チュニジア、エジプト、イラン、パキスタン、モルディブ‥‥。歌あり踊りありデートあり。「抑圧」などメディアによって作られたイメージと違う、生き生きした女性たちの実像を紹介します。