2007-05-08
日本人はなぜ砂漠に恋焦がれるのか?
砂漠の写真を撮っているという女性が会場に訪れました。
わたしと色々と砂漠のお話がしたいと思ったいらしたのですが、
私がそれほど砂漠が好きでないと知って、がっかりされたようです。
私が興味があるのは、もっぱら遊牧民で
遊牧民がいなかったら、私は砂漠には足を踏み入れなかったでしょう。
「あの雄大な砂丘を見て、感動しませんか」
と彼女は熱っぽくわたしに話かけるのですが‥。
私は砂漠で遊牧民の取材を終えて帰るたびに、
車の中で無味乾燥な砂漠を見つめながら、
「こんな場所にひとりで置いてきぼりにされたら、一体どうなるのだろう・・・」
と思って、ゾッとする。
砂漠は決して憧憬や愛着のわく対象ではない。
むしろ恐怖やあきらめや退屈な感情を呼び起こす対象でしかない。
砂漠をしばらくドライブして、町や青い海の風景が目に入ってくると
一転して私の心の中は明るくなる。
そして遊牧民と砂漠で暮らした○日間の日々を振り返り、
ああ、いったい自分はこれまで何をやっていたのだろう・・・と
いつも思うのだ。
●常見藤代写真展
http://www.k5.dion.ne.jp/~fujiyo/
「Saieda-砂漠の荒野に生きる」
2007年4月28日(土)~5月15日(火) AM9時~PM7時
エジプトの砂漠で一人で暮らす遊牧民女性を4年間にわたって撮影したもの。
◆会場:共同通信社本社・ギャラリーウオーク TEL:xxx-xxx-xxxxx
http://topics.kyodo.co.jp/info2/gallerywalk/
関連記事