雪残る沢渡温泉*草津のなおし湯&美人の湯<群馬県>
群馬県の沢渡温泉に滞在しました。草津温泉に近い、山あいにある温泉です。
以前ここに来た時、共同浴場の前に車がいっぱいで入れず、その後ずっと来たいと思っていたのです。
ここは縄文文化が栄えた頃から湯がわいていたそうです。
東京からいちばん近い源泉掛け流しの共同浴場
「草津のなおし湯」と言われる佐渡温泉。草津温泉は強酸性で少し強め。対して佐渡温泉は柔らかい泉質です。そのため草津に入った人は、佐渡温泉に来て肌を整えから帰ったそうです。
共同浴場で、埼玉からキャンピングカーで通っているという女性に会いました。
「群馬の温泉は色々行ったけどね、ここがいちばんいい。もう1年くらい通ってるね。痛いところが全部治るんだよ。喘息の人は、ここに入った瞬間によくなるのがわかるんだって」。
佐渡温泉は美人の湯とも言われます。(そのせいか、入ったらお肌がつるつるしたような気が)。その証拠が共同浴場の番台の奥さん。
80代と聞いて信じらませんでした。(私はいつもずうずうしく人の歳を聞いてしまうのです。)
「もちろん毎日入ってるよ。入らない日はないね。いつも6時に来て、一番風呂に入るの」とニコニコ。「おかげで風邪ひいたことはないよ。ありがたいよね〜」。
「ここじゃ、みんな元気だよ〜。あそこのおばあさんだって私と同じくらいだけど、介護の仕事してるよ。自分が介護してもらうくらいの年齢なのにね。あはは‥」。
「あそこのお婆さんも私より上なのに饅頭こねてるし、米屋のあの人もクルマ運転して仕入れにいってるし。ありがたいよね〜」。
出身は草津の方面。「結婚した時は大変だったけどね。小姑がいっぱいいて。夫の弟がまだ小学生だったから、お弁当つくったりしたよ。おじいさんの世話もしたし。昔はそういう暮らしだったからね。でもここに嫁に来てよかったね。ありがたいよね〜」。
どんな馴れ初めでここに来たのか、こんど会ったら聞いてみたいな。
宿のお風呂は、ひのきの階段を降りた先にありました。なんとも言えない風情。
コロナ過を経て、どの宿も多くの客遠とらないようになったとのこと。お客様は少なく静かでした。
源泉は55℃とのことですが、いつ入っても熱すぎず、ぬるくもなく、ちょうどよい湯加減でした。このための宿の方のご苦労は大変なものと思います。湯の花がふわふわと浮かんでいました。
名古屋からいらしているご婦人とお話。
「前に四万温泉に行ったついでに寄ったんですけど、まだコロナの最中だったから泊まれなくて。共同浴場も地元の方だけ。でもいいところだなあと思って、ずっと来たいと思っていたんです」。
今回は名古屋から高速で山梨に来て、芦安温泉に1泊。そこから3時間走ってここに来て、これから長野の温泉に泊まって帰るそう。いい旅ですね。
「ここから長野の温泉に行くのに、どうやっても峠を超えなくてはならなくて。だから高速がいちばん安心かなと思うんですけど、主人は普通の道を行きたいって。その方が景色がいいし」
私と同じです。
*沢渡温泉まるほん旅館
〒377-0541 群馬県吾妻郡中之条町大字上沢渡甲2301
TEL:0279-66-2011
佐渡温泉には温泉病院があります。従業員の方は400人、患者さんは300人とのこと。通いで来ている人が多いのでしょう。
病院の斜め前にちょっと変わった店があります。
色々なものが売られています。中には売り物でないものもあり、見ているだけで楽しい。
店の主人は以前は病院勤務でした。退職後、代々続くこの店を引き継ぎました。
「病院にいた頃の方が良かったね。いつも(病院の)風呂に入って、それからネクタイを締めて仕事に行ってたよ」。
顔色がほのかにピンクがかっていて、お肌もつやつや。
色々な所へ旅行に行った時の石を集めているそうです。
「いつもこの店に来る人は「最初は何の店かな」と思ってのぞいて、それからは直接ここを目当てに来るの」
私はここで靴べらを衝動買いしました。
とにかくみんなが良いと言う佐渡温泉。一度行かれてみてください!