ポテトおこげ&ソヤパスタ*イランの暮らしとごはん
イランの食事で大事なのが「タフ・ディーグ(鍋の底)」と呼ばれる「おこげ」。おこげは最もおいしい部分として、お客に真っ先に振る舞われます。ご飯を炊くときは、おこげも上手にできなければ、ご飯が炊き上がったことにはなりません。
そんなポテトのおこげを、Aさんのご家庭でいただきました。場所はイラン北西部の都市アルダビールです。
イランの家庭とキッチン
イランの家庭はリビングがとても広いのが特徴。そこにはいくつもの絨毯がしきつめられています。応接セットもありますが、食事は床に座っていただきます。
食事の前にティータイム。イランでは紅茶が多いのですが、この日はシナモンティーをいただきました。甘味はハチミツです。スマホを見ている男性は妹さんのご主人。
キッチンは大きな窓から自然光が差し込んで、とても明るいです。左手にはビルトインされた洗濯機が。料理しながら洗濯でき便利ですね。冷蔵庫の表面には、磁石の人形が貼り付けられていました。イランの家庭の冷蔵庫はサムスンが多いようです。
姉妹で仲良く料理をします。この日は奥さん(左)の姉妹が集まる日。別の町に住むお姉さん(右)と仲良く料理をします。イランのガスオーブンには、ガス口が5つついていることが多いです。イラン料理は煮込み料理が多く、それもかなり長時間煮込む(5時間くらいはあたりまえ!)。そのためガス口がたくさん必要なのです。
調味料はここにまとめて入っています。右に少しだけ見えるのが洗濯機です。
お鍋を帽子代わりにして遊ぶ娘さん。見知らぬ外国人が訪ねてきたので、コーフン気味。
ソヤ(乾燥大豆)入りトマトスパゲティの作り方
ソヤ(乾燥大豆)を使ったトマトスパゲティを作ります。イランでは純イラン料理のほかに、ピザやスパゲティなど欧米の料理もよく食卓にのぼります。ちなみにスパゲティのことを、イランでは「マーカーロニー」と呼びます。
上はタマネギを刻むお姉さん。使うのは果物用の小型のナイフ。いつもながら、まな板を使わずによく切れるなあと感心します。しかも妹さんとおしゃべりしながら、手元も見ないでどんどん刻んでいくので、見ているこちらはハラハラしどおし。
ソヤ(乾燥大豆)は料理するとひき肉のような食感になります。なぜ(ひき肉ではなく)ソヤを使うのかと聞くと、その方がヘルシーだからだそう。ソヤはあらかじめ水に浸してふくらませ、その後しぼって使います。
まずソヤとタマネギを別々のフライパンでいためます。小麦色になったタマネギの上にパラパラと塩をふります。ソヤの上にはレモンソースをかけ、タマネギがキツネ色になったらソヤとタマネギを混ぜます。妹さんのシャツとコンロの前のバラが目にまぶしい。。。。こういうシャツ、一着欲しいですね。
タマネギがよく焼けるのを待つ間、付け合わせのサラダを用意します。味付けは塩、レモン、コショウです。タマネギを炒めていたフライパンに、すり機すったトマトを入れて炒めます。
そしてパスタをゆでます。ターメリックやチリ等のスパイス、缶詰のトマトソースをスプーン大さじ2杯ほど入れます。フライパンで炒めているトマトにも缶詰のトマトソースを大さじ2杯入れ、ターメリックを小さじ2杯入れます。
これまでは、スパゲッティいの下ごしらえ。次にスパゲッティの下に敷く「ポテトのおこげ」の作り方をご紹介します。
おこげの作り方
切ったジャガイモを炒めます。フライパンの上に並べたジャガイモの間にすき間ができるので、そのすき間に、すりおろしたジャガイモを入れ込みます。
ジャガイモの上に茹でたパスタ、炒めたソヤ&タマネギを入れて、スプーンとフォークでかきまぜます。そして煮込むこと1時間。イランのスパゲティはゆでたスパゲティーをさらに炊き込むので、アルデンテからはほど遠いです。
パスタができたら、お鍋をひっくりかえす。おこげが上にきます。
おこげは大切なメインディッシュ。なので別皿にとって食卓に出します。
いただきます! トマトの味が染み込んだポテトのおこげは絶品です。アルデンテからはほど遠いパスタも、もっちりしていて私好みの味。
本当にごちそうさまでした!!