イスラム女性の仕事*男女隔離が職場進出を促進
イスラムの女性は家の中に閉じ込められている。働くことが禁止されている。ーそんなイメージを持つ方もいるかもしれません。
イスラムでは女性の労働を禁じておらず、実社会で多くの女性が働いています。さらに「男女隔離」という社会の特性ゆえ、女性の社会進出が進んでいる側面もあります。
男女隔離とは?
イスラム社会は「男女隔離」が特色で、結婚式や学校は男女別。乗り物も多くの国で男女のスペースが分かれています。もちろんこれは国によって程度や容態が異なります。インドネシアなどでは小学校は男女一緒ですが、パキスタンなどではレストランのスペースまで男女別です。(*インドネシアの小学校:スカーフとジェンダー)
アラブの庶民的なカフェには男性しかいません。これは女性が差別されているというより、男性が家から追い出されていると言った方が正しい。家庭は女性が主役の場。奥さんの友人が来るのでご主人はいずらくなり、カフェに追い出されるのです。
男女隔離が女性の職場を広げる
男女隔離ゆえに、かえって女性が求められる職業が増え、女性の労働を促進している面があります。
①医師・教師
学校や医療現場では女性が求められます。女生徒を教えるのは女性教師の方が好ましいからです。そして医師。とりわけ産婦人科に関しては女子医師のニーズが高い。異性に肌や陰部を見せたくない女性も当然いるからです。
②タクシー運転手
イラン、UAE(アラブ首長国連邦)などでは多くの女性がタクシー運転手として働いています。特に多いのがイランの都市部。車はある意味、密室です。見知らぬ男性ドライバーと2人きりになりたくないという女性も当然います。そこでは女性ドライバーが求められるのです。
③ウェディングカメラマン
パキスタン北部の街ギルギットで、女性のウェンディングカメラマンに会いました。ギルギットはパキスタンの中でも保守的な町で、ニカブで顔を隠した女性も多く見かけます。
婚礼アルバムを撮影する際には、女性は顔や髪を見せますが、そういった姿を自分の夫以外の男性に見せるのを嫌がる女性もいる。そこで女性カメラマンの出番になるわけです。
毎朝8時からスタジオで仕事を始め、夜6時に帰宅した食事をし、またスタジオに来るという猛烈働きぶり。「最近は毎日2、3時間しか寝ていないわ」と。撮影、画像処理など全て、彼女一人でこなしているからです。
男女隔離で女子教育が促進される
イランで女子教育が普及したのも男女隔離が要因の1つだったと指摘されています。保守的な父親の中には、娘が不特定多数の男子と一緒に学ぶことを好ましく思わない人もいるからです。なおイスラムでは女子教育を禁止してはいません。
イスラム女性たちのリアルな日常を紹介。モロッコ、チュニジア、エジプト、イラン、パキスタン、モルディブ‥‥。歌あり踊りありデートあり。「抑圧」などメディアによって作られたイメージと違う、生き生きした女性たちの実像を紹介します。
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