イスラム教徒は日本の男女関係をどう見ている?
日本に暮らすイスラム教徒(特に男性)は、日本のことをどう思っている?その点、在日イスラム教徒たちへのインタビュー集『お隣りのイスラーム』に登場する人たちが、「どんなふうに日本を見ているか」が興味深いです。
特に面白かったのは、イラン料理レストラン「ザクロ」の店長アリさんです。彼曰く、「日本の男性は目移りばかり。女性は大事にされていない」。それはどんな理由でしょう?
女性の足が2センチ見えても興奮
アリさんは言います。
「日本みたいに肌もおへそも丸出しだと、男はファンタジーを感じられなくなる。イランでは女性の足がほんの2センチ見えたらドキドキする。でも日本の男はこれだけ出勤・帰宅途中若い女性に刺激されたら、家に帰ったころにはげんなりするよ。だから人口が減って当然。」
(『お隣りのイスラーム』)
イランの女性はチャドルという布で全身を覆っています。全ての女性がチャドルを着ているわけでありませんが、肌を見せないのは共通しています。だからちょっと見えただけでドキドキするのです。
エジプトを訪れた私の友人は、半袖だったために男性に触られてしまいました。女性の肌に免疫がない男性たちは、半袖というだけで興奮するのです。
日本の男性はといえば?外で女性の素肌を見慣れているから、奥さんの素肌を見ても興奮しない→夜仲良くする回数が減る→子どもがへる。アリさん的に解釈すると、こういうコトです。
なぜイスラムでは男女隔離なのか?
アリさんがなぜそこまで興奮するかというと、イスラム社会は男女隔離が徹底しているからです乗り物は男女別。学校も多くは男女別です。女性は外では肌を隠している。だから、めったによその女性の肌を見ることができません。
「男女は惹かれ合うもの、特に男性は性欲に負けやすいから」です。だから無用なトラブルが起きないよう(痴漢とか)、男女を分け、女性の肌を隠すことにしたのです。
異性へのリスペクト
そこから異性へのリスペクトが生まれます。異性が得がたい存在だから、貴重なものに思える→互いの性への憧れが醸成され、男女が惹かれ合いやすくなる。こうして結婚へのドライブが生まれ、結婚したらしたで仲睦まじく暮らす。
社会は男女隔離ですが、女性は家では真っ赤なネグリジェは普通です。美しさは夫にだけ見せるものだからです。(*黒いアバヤの下にイスラム女性が着ているものは?)
「結婚してお嫁さんのベールを初めて自分の手で脱がせる。自分だけしか見られない、触れないというので興奮するんだ。もし年をとって妻に皺があっても自分だけのいとしい人。本気で好きだら焼きもちも焼く。」
(『お隣りのイスラーム』)
夫は妻だけの男、妻は夫だけの女性。だから女性はシワシワになっても愛される。女性にとっては嬉しい状況かもしれません。
イスラム圏に興味がある方にご参考になれば幸いです。
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