モロッコはどんな国?*治安・注意点など
これまでの多くのイスラム圏の国々に行きましたが、モロッコほど魅力ある国はないでしょう。
人の優しさではチュニジア、イランなどにかないませんが、旅する先としての魅力、観光スポットの多彩さ、エキゾチックさにおいては、モロッコの右に出る国はないでしょう。
喧騒のフナ広場があるマラケシュ、迷路のような旧市街のフェズ、サハラ砂漠、多くの芸術家が愛する港町エッサウィラ、青いメルヘンチックな町並で知られるシャウエン‥‥モロッコの観光地はあげればきりがありません。
モロッコはどこにある?
アフリカの北西の端に位置しています。西は大西洋、北部はジブラルタル海峡と地中海に面しています。
国内はアトラス山脈を境に大きく南部に分けられます。
北部はアラブ、ヨーロッパ的な雰囲気があり、南部はアフリカ的な雰囲気が色濃く感じられます。
主な観光地
フェズ、マラケシュ、メクネス、カスバ街道、シャウエン、サハラ砂漠などがあります。
旅行日数は、できれば2週間、最低でも10日間は欲しいところです。
砂漠に行くには?
南の町メルズーガ、マアミドなどが拠点となります。
有名なのはメルズーガの方です。その場合の方法は2つあります。
①個人でメルズーガまで行ってツアーを見つける
②マラケシュからツアーに参加する。
治安
中東イスラム圏の中では最も治安が安定している国です。
ただ観光立国であるため、観光客を狙ったスリなどは残念ながらいます。
またイスラム教の国なので、女性一人旅は気をつけなければならないこともあります。
旅の注意点
①観光地のスリに気を付ける
実際私は被害にあいました。マラケシュのメディナ(旧市街)です。人混みの中でバッグにいれておいた財布をすられたのです。
モロッコでスリが多いというのは、後で聞きました。モロッコ以外のイスラム圏でもスリがいないわけではありませんが、モロッコほどは多くないと思います。
②持っていく「地図」に気を付ける
モロッコには「持って行ってはいけない地図」があります。それは「モロッコと西サハラに境界線が引かれている地図」です。
モロッコは現在、西サハラを自国の領土と主張しています。それを認めず、西サハラを独立させようとする活動家もいて、モロッコ政府は神経をとがらせているのです。
ですから西サハラとの間に境界線が引かれている地図を持っていたら、「西サハラ独立活動家」と疑われる可能性もあります。
荷物の中に入れた地図を調べられるなんて、「万が一」くらいしか確率はないのですが、それでもゼロではありません。
現に私は経験しました。
南部のアガディール空港で国内線に乗るときでした。荷物にカメラとPCがあったために怪しまれ、荷物を全部検査されることになったのです。
仮にカサブランカやマラケシュの空港なら、カメラやPCを持っていたくらいで怪しまれることはないでしょう。が、ここは南部のリゾート地。そんなところにカメラとPCなんて持ってくるやつは、何か企んでる奴に違いない、と思ったのでしょうか。
あるいはたまたま神経質な検査官に当たってしまったのか?あるいは西サハラに近い場所だから、西サハラ問題に神経をとがらせているのか?
理由はわかりませんが、ともかく荷物の中に「地図」があった。これが大問題に発展してしまったのです!
それは日本の書店で買った普通のモロッコ地図。ところがバッチリ西サハラとの間に「境界線」がひかれてました。そこで探知犬まで出動したり、「パソコンの中を見せろ」とまで言われる事態に。
それはなんとか免れたものの、地図は没収されてしまいました(涙。(そういえば、日本の某ガイドブックの地図にも境界線が引かれていますね)
モロッコ人はどんな人?
とても温かく親切な人が多いです。ただチュニジア、イランなど他のイスラム圏の人々の「あったかさ」に比べると、ややそっけないかなというのが(私の個人的な)感想です。
モロッコの食べ物は?
クスクス
世界最初のパスタ。クスクスはモロッコ、チュニジア、アルジェリアなどマグレブ(北西アフリカ)の国々の国民食です。タジンやクスクスはチュニジアにもありますが、トウガラシが入っていて少し辛い。その点モロッコはとてもマイルドで、日本人の口にもよくあうのです。
タジン
タジンとは煮込み料理のこと。ヒツジ肉や鶏肉と一緒に野菜を煮込みます。日本ではタジン鍋が有名ですが、現地では圧力鍋を使うことが多いです。
モロッコの食事はとにかく美味しい。タジン、クスクス、何を食べても。庶民食堂で食べるハリラ(スープ)まで、思わずおかわりしてしまうほどの味です。
パン
モロッコの主食はパン。モロッコの女性たちは、あまり外で買ってきたパンは食べません。お菓子も手作りします。朝ごはんは自家製のパンと自家製のオリーブ、ハチミツなどです。もちろんオーブンがなかったり忙しかったりして、家でパンが焼けないという家庭もあります。そんな時も、生地だけは自分のところで作るという家も多いのです。練った生地を近所のパン屋さんに持ち込み、焼いてもらいます。女性たちがパン生地をパン屋に運ぶ光景はモロッコの風物詩です。
飲み物:ジューススタンド
モロッコはフルーツが豊富。そして町のいたる所に、ジューススタンドがあります。オレンジジュースなども、とびきり甘くて美味しいのですが、おすすめは、「パナシェ」というミックスジュース。
リンゴ、サクランボ、イチジク、マンゴ、オレンジなど、季節のフルーツがたっぷり入っていて、これだけでけっこうおなかいっぱいになります。
お店によっても値段は違いますが、だいたい5~8ディルハム(1ディルハムは、約12円)くらい。
旅の基本情報
◆言語
公用語はアラビア語とアマズィク語(ベルベル語)です。
フランスの植民地だった関係で、フランス語もよく通じます。
観光地に限れば英語やスペイン語が通じます。
◆宗教
国教はイスラム教。他にキリスト教徒やユダヤ教徒もいます。
なおモスク(イスラム教の礼拝所)は、イスラム教徒以外入ることはできません。
◆ビザ
3ヶ月以内の観光ならビザは不要です。
入国時にパスポートの残存有効期間が3ヶ月以上あることが必要。
ビザについての最新情報はモロッコ大使館のサイトをご参照のこと。
◆お金
モロッコディルハム(MDH)。
日本円を両替できるのは空港や大都市に限られているため、米ドルやユーロなどの現金も持参しましょう。
各都市でATMでのキャッシングも可能ですが、機械にカードが吸い込まれることもまれにあるようです。
◆服装
砂漠気候のため、朝夕の寒暖差が大きく、1枚羽織れるものを持っていくのが良いです。
またモロッコはイスラム教国でもあるので、肌を露出しない服装がベターです。
◆ベストシーズンは?
比較的気候の穏やかな春と秋。
一年中温暖で過ごしやすい地中海沿岸や大西洋沿岸は冬もおすすめです。
◆買い物
土産物を買うならマラケシュよりカサブランカの方が安く買い物できます。
(→カサブランカ*近代とイスラム文化が融合する独特の魅力【ホテル情報】)
◆宿泊
モロッコではリヤドと呼ばれる古い邸宅を改装した宿が人気があります。
モロッコの古いインテリアや調度品に囲まれて、雰囲気ある滞在が楽しめます。
◆交通手段
<市内>
タクシーとバスがあります。バス利用は慣れないと難しいため、タクシーを使うのが良いでしょう。
タクシーはメーターはありますが、旅行者の場合メーターを使わない運転手もいます。
出発前にきちんとメーターを使うよう確認する必要があります。
<長距離>
①鉄道
モロッコの鉄道はかなり快適です。
カサブランカ、マラケシュ、フェズ、メクネスなど主だった観光地は、ほとんど鉄道で結ばれています。
1等と2等があり、1等はフェズからカサブランカまでは約1500円。
駅で時刻表をもらえば、現地での旅程が立てやすくなります。
(時刻表は、モロッコ語で「ブルナーミジ」、あるいは「プログラム」などと言えば、通じます。)
こちらはマラケシュ~カサブランか~ラバト~メクネス~フェズを結ぶ路線の時刻表です。↓
②バス
「CTM」(元国営)、「スープラトール」(国営)、「民営バス」の3種類。
民営バスの方が安く本数も多い。
バスターミナルの発着場所はCTMと民営で別になります。
乗り心地は基本的にCTMの方が良いが、最近はwifi付きの民営バスもあったりして時によっては民営の方が快適なことも。
CTM、Supratoursのホームページで、時刻表と料金が確認できます。
http://www.ctm.ma/en
http://www.supratours.ma/en/
モロッコへの行き方
直行便はなく、ーロッパか中東系の航空会社で乗り換えとなります。
エールフランス航空は、午前中発の便を利用すれば、同日に現地到着が可能。
中東系のエミレー、カタール、トルコ航空は、どれも夜成田・関西空港を出発し、翌日の午後に現地到着。
どちらも日本から20時間ほどの長時間フライトです。
参考:
在日モロッコ王国大使館
外務省
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