2015-01-09
本を出版する喜びとは
「女ひとり、イスラム旅」を出版してから、ここのところ毎日のように、「〇〇の書店にあったよ」「○冊買ったから」と嬉しそうに電話をかけてくる人がいるます。母です。
60歳まで働いてきて定年になった彼女は、今は特に趣味といえるものはなく、もっぱら楽しみは、家の近所に新しくできた大型スーパーに夕食の買い物にいくくらい。それに、ここ2~3日は近所の書店めぐりが加わった。少しは楽しんでくれているのでしょうか。
私は大学時代から、インドネシアだのイランだの、パキスタンだの、得体の知れない国に一人旅してきて、母親にさんざん心配をかけてきた。彼女くらいの女性なら一般的だと思いますが海外はおろか国内ですら一人旅などしたことのない彼女の心配は、いかばかりだったか。
娘を持たない私にはとうてい理解できないけれど、うすうす想像くらいはつきます。
本一冊くらいでは母親にかけた心配の10%も回収できたとはいえないけれど、それでも少しは親孝行になっているのかなあ。
彼女が生きているうちに、何回この楽しみをつくってあげられるだろうか。
これからも、喜んでくれる人がいるなら、本を出していこう。本を出す喜びは、こういうところにあるのかもしれません。
<お知らせ>
「旅人の夜」(新宿ネイキッドロフト)に出演します
http://www.loft-prj.co.jp/schedule/naked/date/2015/01/17
関連記事
コメントを残す