給食と味噌漬け弁当*日本の小学校&海外の小学校
先日のエジプト人の先生の研修のとき、ある先生が給食についてこんなことをおっしゃいました。
「みんなが同じものを食べるのが素晴らしい。エジプトでは各自がお弁当を持ってくる」
なるほどー。
私は給食で育ちましたが、当時はもちろんそんなことを考えたことはありません。
思い出といえば、(カレーうどん、まずかったな)とかぐらいです。
海外では給食はめずらしい
海外の学校で、給食という制度がある国はあまりないのでは?と思います。
エジプトの学校では、各自がお弁当を持ってきます。
お弁当がない子もいて、学校内にある売店でスナック菓子などを買い求めます。海外の学校には、こういう駄菓子屋がけっこうあります。売られているものは体には良さそうではありませんが、子供たちは喜びそうですね。
サウジアラビアでも、インドネシアでも、インドでもお弁当です。
給食は素晴らしいと個人的に思うのは、まずお母さんの手間がはぶけることです。
みんなが同じものを食べることで、連帯感らしきものも生まれるでしょう。
子どもながらの「貧富の差」
そしてこれが最も重要なポイントですが「貧富の差を隠すことができる」があります。
夫が小学生のとき、給食がなかったそうです。
各自がお弁当をもってくる。
そこには歴然と貧富の差があらわれていて‥。
裕福だった子のお弁当には、当時は珍しかった真っ赤なウィンナーとか入っていて、とにかく華やか!だったそう。
夫はといえば、家がそれほど裕福でなかったので、いつも弁当といえば「茶色」。
中身は味噌漬けとか、イモの煮ものとか。
だいたい他の子も、同じようなものだったようですが。
でも当時は自意識過剰な年代だった夫は、他の子に見られるのが恥ずかしくて、弁当箱のふたで中身を隠しながら食べていたそう。
ときには新聞紙に包んだおにぎりとか!
サランラップとか銀紙なんて、当時はありません。
あったとしても、夫の家では買えなかった。
それで、おにぎりの表面にくっきりと新聞の文字が写っていた。
(お母さん、やるー!)
中には納豆をつめてきた子もいたそうです。
北国なので、お昼の前にストーブで全員のお弁当を温めます。
そんな時、納豆の匂いがぷー〜んと教室中にただよって、
(あれはくさかったな〜)と夫は言います。
お弁当がない子もいました。
そういう子には先生が気を遣って、近所の駄菓子屋でパンを買ってあげていたそうです。
「あれ、先生の自腹だったと思う」。
あっ、そういえばインドの公立小学校には給食がありました。中身はダル(豆スープ)とご飯だけという、とてもシンプルなものですが。
公立校は貧しい子が多いので、給食があることで助かっていることでしょう。中には家で十分食べられない子もいると思います。
学校に行けばおなかいっぱい食べられる!→じゃ、学校に行こう。という好循環も生まれるでしょう。
それを思えば、給食というシステムはすばらしいのではないか。
たとえそれがカレーうどんだったとしても。