2024-10-01

わけぎとニジマスと年金生活。

人前で話すのが大の苦手で、そもそも人と話すのも好きではありません。しかし時に自分でも驚くほど大胆に他人に話しかけることがあります。だいたいは相手の言動に興味を持ったとき。

先日ふだん通らない裏道を歩いていると、目の前に野菜を植えてらっしゃる人がいました。自宅の塀と道路の間の、たった30cmくらいの幅しかない地面に。お庭にはスペースがないのでしょう。ちなみに60すぎくらいのおじさまです。

ついまじまじと眺めていると、その方と目が合い、にっこり笑ったので、「そんなところに野菜が育つんですねー」と思わず失礼なことを言ってしまいました。

そんな至らない発言にも関わらず、喜んでくださったのでしょう。「ここは日当たりがいいもんですから。」と、顔をしわくちゃにして笑います。

わけぎの苗 東京古民家暮らし

ご自身で育てた小さな苗床が、横にたくさん並んでいました。小松菜だそうです。
葉物は目が出るのが難しい。「えーすごいでね〜」というと、「年金生活ですから」(時間があるんです)。
また顔中をくしゃくしゃにして、笑います。そのうれしそうなこと。見ているこちらも、すがすがしい気持ちになるほどです。

「私も畑をするんです」というと、「何植えてるんですか?」と身を乗り出してたずねるおじさま。ちょっとだけ、互いの野菜作りに話がはずみます。

そして「これもっていきません?」
苗床を5つも分けてくださいました。

さらに、球根から育てたというわけぎも。
「細かく刻んで納豆とかにかけたり、味噌汁に入れると美味しいですよ」
スーパーでは見たことがありますが、自分で育てたことはありませんでした。

こんなにいただいてしまって、恐縮‥。
帰ろうとしたら、その方(いいこと思いついた!)という感じで、
「あ、ニジマス食べます?」
近くの川でたくさんとれて、冷凍してあるという。

さっそく家に入って、冷凍庫から持ってきてくださいました。4匹も。「とった後、すぐに内臓とエラとって、帰ってすぐに冷凍庫にいれましたから」(食べても大丈夫ですよ)。
私が心配していると思ったのでしょうか。

冷凍したニジマス 年金生活

実はこんなふうに人に話しかけて、結果的にいろんなものをもらったことがけっこうあります。干したリンゴ、キャベツ、ぶどう、梅、パクチーの種‥。

けっして下心あってのことではありません。でも相手には物欲しそうに見えたのかも。

ともかく野菜と魚。これですよ、リタイア後の暮らしは。タダで野菜と魚を調達してくれたら、奥様だって喜ぶはず。
(厳密にはタダではありませんけれど)

余談ですが、(田舎に暮らしていたら)狩猟免許をとって、野生動物をとるなんて、いいかもしれませんね。
房総半島にはキョンがたくさんいて、地元の人は困っているそうです。キョンは食べたらすごく美味しいそうですよ。

そうなれば、野菜と魚に加え、たまにジビエも食せます。獣を退治してくれたと地元の方にも喜んでいただけ、奥様もさらに大喜び。ずっと家でゴロゴロしていて、「濡れ落ち葉」なんて言われることもありませんものね。

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